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2023 年度 実施状況報告書

クラッシュ症候群の一酸化窒素を介する炎症制御機構の解明と新規治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K09148
研究機関城西大学

研究代表者

村田 勇  城西大学, 薬学部, 助教 (80610667)

研究分担者 小林 順  城西大学, 薬学部, 教授 (20153611)
石原 伸輔  国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主幹研究員 (30644067)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードクラッシュ症候群 / 一酸化窒素ガス / サイトカインストーム / 炎症反応 / 抗炎症作用
研究実績の概要

【背景】災害現場で多発するクラッシュ症候群は、腎機能不全を主体とする疾患として発見されたが、その病態や治療法の研究によって腎不全を克服しつつある。しかしながら、この疾患は治療してもなお10~15%の死亡例が存在し、その原因が炎症性疾患であることが明らかにされており、我々は肺で増幅されたサイトカインストームが原因であると考えている。我々は、クラッシュ症候群モデルラットにおいて一酸化窒素が不足することで炎症性疾患が引き起こされることを明らかにしている。初年度の計画において、生存率を改善する投与量や投与タイミングを明らかにし、20ppmよりも160ppmで圧迫解除後から吸入させることが有効性を高めることが明らかになった。それは、カリウム値を改善することによる心不全や高カリウム血症を回避に由来する抗ショック効果であった。本年度は、各組織の炎症反応の程度によって有効性を評価した。
【目的】本研究は、有効性を血液学的評価および炎症性マーカーによって評価を行った。
【方法】組織の炎症反応は、好中球の浸潤の程度と血中サイトカイン(IL-1β、TNFα、IL-6、IL-10)を測定した。
【結果・考察】160ppmで投与したNOガスは、肺だけでなく、傷害部位の筋肉に送達して好中球の浸潤を抑制し、炎症性サイトカインを著しく抑制した。特にその効果は、圧迫を解除したのちに投与すると効果が高い、つまり救出後からNOガス吸入を行うと最も効果を発揮する可能性を示した。一方で、抗炎症性サイトカインであるIL-10は上昇し、生理機能の保護的メカニズムを賦活化することを示唆した。また、腎臓におけるkidney injury molecule-1を高め、腎機能悪化の回避だけでなく回復を早める可能性を示唆した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度の遅れを取り戻し、おおむね順調に遂行しているものの、物品購入の価格高騰によって代替手段による評価を余儀なくされている。今後もその点を視野に入れ当初の目標を達成した。

今後の研究の推進方策

現在は順調に研究を遂行している。現在は、2~3年目に計画している遺伝子発現解析についての予備的な検討を行っている。

次年度使用額が生じた理由

当初購入予定であった機器の購入が、物価高騰の影響で行えず、それを一部代替する研究機器の購入を行ったが、その残がある。2024年度には当初購入予定で評価する一部内容に充当する代替機器を購入する予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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