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2023 年度 実施状況報告書

心虚血・再灌流時のセロトニン動態への薬理学的介入による心筋細胞傷害軽減

研究課題

研究課題/領域番号 22K09182
研究機関岡山大学

研究代表者

黒子 洋介  岡山大学, 大学病院, 講師 (20459184)

研究分担者 秋山 剛  国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 客員研究員 (70202554)
小谷 恭弘  岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (90534678)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード心筋虚血再灌流障害 / セロトニン / 心臓マイクロダイアリシス
研究実績の概要

心筋虚血・再灌流時、5-HTは、①5-HT receptorを介した心筋細胞傷害、②MAO代謝によって発生するH2O2を介した心筋細胞傷害、の2つの作用機序により心筋細胞を傷害すると考えられる。そのため、①SSRI (selective 5-HT reuptake inhinitor)はreceptor-dependent effectの観点から、②EMT (extra-neuronal monoamine transporter) inhibitorは、MAO-dependent effectの観点から、心虚血・再灌流時における5-HTによる心筋細胞傷害を減弱させる、と考えられた。
我々が開発した心臓マイクロダイアリシス法は、in vivoで心筋に半透膜でできたプローべを埋め込み、プローべにリンゲル液を流して回収した透析液から心筋間質の情報を得るシステムである。冠動脈をスネアして心筋の虚血再灌流領域を作成し、その部位へプローべを埋め込めば心筋間質の虚血・再灌流時の情報が得られる。5-HT、5-HIAA(5-HTの代謝産物)、ミオグロビンなどを測定することにより、5-HTの虚血再灌流時の動態や心筋傷害の程度などを調べることができる。
2022年度は全身麻酔下にラットの心筋にin vivoでマイクロダイアリシスプローべを埋め込み、心筋の虚血再灌流時における透析液のミオグロビンを測定し、虚血時および再灌流時に上昇していることを確認した。2023年度も引き続きラット透析液中のミオグロビンを測定しながら、5-HT, 5-HIAAの測定も開始した。COVID-19感染の影響は落ち着いてきているものの、まだまだ社会的な事情により十分な実験時間が取れているとは言えず、5-HT, 5-HIAAに関するデータは収集中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

COVID-19感染により十分な実験時間がとれなかったこと、5-HT, 5-HIAAの測定に関して機器の準備が遅れたことから、当初の予定よりも実験は遅れている。

今後の研究の推進方策

心臓マイクロダイアリシス法によりラット心筋の虚血再灌流時のミオグロビン・5-HT・5-HIAAを測定する。コントロール群の測定の後、下記の条件下に測定を行う。
1. SSRI, EMTの心筋局所への投与
2. SSRI, EMTの全身投与
上記のデータをもとに5-HTによる心筋の虚血再灌流障害に与える影響を評価し、心筋細胞傷害を軽減できるかどうかを明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19感染拡大のため実験計画が遅れ、消耗品や動物代、薬剤購入費用などが予定より大幅に少なかったため。
もともと5-HT, 5-HIAAの測定は国立循環器病研究センターに送って行う予定であったが、諸事情により難航しており、岡山大学で機器を整備して測定する方針へ切り替える予定としている。その機器整備費用への使用を検討している。

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公開日: 2024-12-25  

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