研究課題/領域番号 |
22K09199
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
岡部 浩太 久留米大学, 医学部, 助教 (70840023)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 梗塞後心筋症 / 左室リモデリング |
研究実績の概要 |
本研究では、心筋細胞において心筋保護、慢性炎症や線維化などの病態に深く関与するSTAT3やその制御因子であるSOCS3に着目し、線維芽細胞特異的なSOCS3のノックアウトマウスに、心筋梗塞モデルを作成し、虚血性心筋傷害の病態におけるJAK/STAT3/SOCS3経路の役割を明らかにし、虚血性心筋傷害と心臓突然死の病態の解明すること、ならびに新たな治療法開発の基盤となりうる知見を見出すことを目的に本研究を進めている。 線維芽細胞特異的遺伝子欠損マウスにおける心筋梗塞モデルの解析 線維芽細胞特異的にSOCS3を欠損させたマウス(fibSOCS3-KOマウス)の恒久的心筋梗塞モデルと野生型マウス(WTマウス)の2週間モデルで比較を行った。梗塞後2週間では心室重量はKOモデルがWTモデルと比較し、軽量であった。組織画像ではKOマウスはWTマウスと比較して、梗塞巣の線維化が軽度であり、梗塞巣内の一部に生存心筋と考えられる組織像を認めた。また、心臓超音波検査では左室のサイズについては有意差は認めなかったが、左室収縮能はKOマウスがWTマウスと比較し良好であった。分子動態評価としてウエスタンブロットを行っているが、KOマウスはWTマウスと比較し、STAT3活性やERK活性が有意に上昇していた。以上の結果より、線維芽細胞のJAK/STAT3/SOCS3経路は心筋梗塞後の虚血心筋において、心筋細胞の生存ならびに梗塞心筋の線維化や心筋リモデリングに関与している可能性が高いと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現状では、ほぼ当初の予定通りに進行している。
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今後の研究の推進方策 |
ほぼ当初の予定通りに進行しており、引き続き、モデル作成ならびにサンプル回収を行なっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初はマイクロアレイを検討していたが、ウエスタンブロットやrt-PCRを先行したため、金額の相違が発生した。次年度での実行を検討中である。
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