研究課題/領域番号 |
22K09216
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
安達 淳一 埼玉医科大学, 医学部, 客員准教授 (70291143)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | glioma / CSF / ccfDNA / liquid biopsy |
研究実績の概要 |
2021年に新たに改訂された脳腫瘍病理分類にて、グリオーマの分子遺伝子学的解析は、診断や病態の把握に関してさらに重要度が高まった。グリオーマは再発、悪性化しやすく、その都度、腫瘍組織を採取して遺伝子解析を行うには侵襲が大きい。そこで、組織採取の代用として脳脊髄液中の腫瘍由来の circulating cell free DNA(ccfDNA) を解析する技術が発展しているが、脳脊髄液由来の ccfDNA は極めて微量であり、遺伝子解析可能な例は限定されているのが現状である。我々は、グリオーマ患者の脳脊髄液中の ccfDNA を in vitro で増幅し、高感度なassay によりグリオーマ関連遺伝子の統合的解析を効率的に行う方法を確立することを試みた。今回、5例のグリオーマ症例の腰椎穿刺で得られた髄液1mlから、Maxwell RSC instrument を用いて腫瘍由来ccfDNAを抽出、精細した。IDH1, H3F3A各遺伝子の変異のホットスポット部位を high resolution melting (HRM) 法で、TERT遺伝子変異については droplet digital PCR 法で、MGMTプロモーターのメチル化についてはメチル化特異的HRM法にて解析した。ccfDNAが微量であり、解析不能であったサンプルに対しては、GenomiPhi kit を用いてDNAを約500倍量に増幅し、同様のassay法で解析した。 5例中2例は GenomiPhi kitによる増幅を要したが、全例で上記のグリオーマ関連遺伝子解析を実施し得た。低悪性度グリオーマや脳室やくも膜下腔に接していないグリオーマでは得られる ccfDNAが微量であるが、本増幅方法を用いることで髄液を用いた Liquid biopsy の可能性を高められると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
微量の髄液由来 circulating cell free DNA に対する増幅可能な手技が、ほぼ確立されたため
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今後の研究の推進方策 |
さらに症例数を増やして、昨年度で確立した増幅 assay 方法が有用であることを検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が想定よりも順調に進行し、試薬代金が予定していた額よりも少額で済んだため。この差額を有効に次年度に繰り込み、増加が予想される症例の解析費用に使用する。
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