研究課題/領域番号 |
22K09229
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
赤井 卓也 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (50222500)
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研究分担者 |
山本 誠士 富山大学, 学術研究部医学系, 准教授 (10456361)
八田 稔久 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20238025)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 脳脊髄液 / 粒子 / 流出路 / マウス / 胎児 |
研究実績の概要 |
1) 頭蓋外への脳脊髄液排出路の可視化とその組織同定 a. 胎盤につながれた状態の胎児マウス(胎生13日)脳室に金コロイドを注入し、一定時間の後に取り出し固定。その後、標本を銀染色、透明化するとことで胎児全身において集積した金粒子を可視化している。これまでの研究で、脳室への注入手技、透明化、銀染色手技は確立した。脳室壁、頭蓋底、脊柱管に金粒子の集簇がおこることがわかった。また、蛍光色素注入標本の解析において、脳室内脈絡叢、視神経周囲も脳脊髄液排出路の候補となることが判明した。今回は、この部分に特に注意して解析中である。 b. 共焦点3D顕微鏡下にCadaverineが通過したtractを解析:胎盤につながれた状態の胎児マウス(胎生13日)脳室にCadaverineを注入し、一定時間の後に取り出し固定した。前頭蓋底のtract描出に成功した。 2) 蛍光色素法による脳脊髄液排出路の可視化とその組織の同定:脳脊髄液排出路として可能性が高い前頭蓋底から鼻腔でCadaverine, LYVE-1, CD51の二重染色を行っている。LYVE-1は鼻腔粘膜には染まる部位があるが前頭蓋底から鼻腔につながるところでは染色なし。Cadaverine染色部位とCD51染色部位は一致しないことを確認した。 3) 電子顕微鏡による脳脊髄液流出路の構造解析:胎盤につながれた状態の胎児マウス(胎生13日)脳室に金コロイドを注入し、一定時間の後に取り出し固定。電子顕微鏡で、脳脊髄液排出路として可能性が高い前頭蓋底、脈絡叢における金粒子沈着を解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・胎児への目的物質の注入、透明化、抗体・蛍光色素選択、染色などの実験手技が確立し、安定した結果がでるようになった。 ・注入した粒子の集積部位が判明した。 ・脳室内に注入した粒子の移動部位、頭蓋外へのtract解析が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
1) 脳脊髄液排出路の可視化とその組織の同定:研究分担者と検討を重ね、targetとなっている脳脊髄液頭蓋外への流出路を同定するため、注入した蛍光色素の固定、発色方法の研究を進める。また、脳脊髄液流出路の新たな候補となった視神経および脈絡叢における金粒子集積の電子顕微鏡解析を進める。 2) 脳代謝発生老廃物排出促進方法の開発:学内研究者と協議し、タウタンパク細分化方法を確立し、脳室内注入した際の排出効率を解析する。浸透圧利尿薬を母胎に投与することの脳脊髄液移動促進効果を検討する。 3) 脳への薬物、細胞運搬法の開発:当教室では、細胞の鼻腔内投与と脳梗塞、脳挫傷における、その効果を解析する研究を行っている。効率的に鼻腔から頭蓋内へ、細胞、薬物を移動させる方法の探索を進める。 4) 水頭症モデルにおける鼻腔薬物投与効果の解析:カオリン脳槽注入により水頭症モデルを作成し、鼻腔内薬物注入による水頭症改善効果を解析する。
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次年度使用額が生じた理由 |
調達方法の工夫などにより、経費の節約ができたため。
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