研究課題/領域番号 |
22K09245
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
武田 純一 関西医科大学, 医学部, 講師 (70460813)
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研究分担者 |
林 美樹夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (10368251)
日笠 幸一郎 関西医科大学, 医学部, 教授 (10419583)
徳弘 圭造 関西医科大学, 医学部, 准教授 (20423105)
埜中 正博 関西医科大学, 医学部, 教授 (90577462)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 二分脊椎症 / ゲノム編集 |
研究実績の概要 |
二分脊椎症の多くの患者は生涯にわたって続く障害を抱えている。最も多いのは排尿排便障害であり、間欠的導尿処置や浣腸、摘便を生涯にわたって実施する必要がある。また一部の患者は下肢の運動障害を抱え、下肢の変形や運動障害、関節の障害のため複数回の整形外科手術を要している。水頭症やキアリ奇形を合併している場合は全介助に近い重度の障害を抱えている例も見られる。二分脊椎症に係る医療費は莫大なものになっている一方、就学就労に際し障害のため制限があり、患者本人の社会参加が困難である。さらには患者をケアする家族にとっても大きな負担となっている。そのためこの疾患の原因を特定し、診断、治療のみならず、新規の予防法の開発が望まれている。二分脊椎症についてはこれまでの疫学的な調査により開放型の脊髄髄膜瘤が発症した同一家族内に同じ疾患が生じる確率は25-50倍になり、脊髄脂肪腫については100倍を超えるとされている。また私たちが診療している二分脊椎症患者の中にも、5家族で同一家族内に脊髄髄膜瘤、脊髄脂肪腫患者がいる。したがって、二分脊椎症および脊髄形成の障害の成因には遺伝的な要素が関わっていると推定され、60-70%程度関わっているとの報告もある。これまでに、VANGL1,2の変異は二分脊椎症の2%あると推測されているが、それ以外は未だに不明のままである。本研究は、全ゲノム解析を対象患者、およびその両親、家族に対して行い、原因となる遺伝子変異を同定した。そして、二分脊椎の患者から同定された遺伝子変異により、マウスでも形態に異常が発生するかどうかを、ゲノム編集により検討した。その結果、脊椎の成長に影響をおよぼす遺伝子変異を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ゲノム編集により、哺乳動物の脊椎の成長に影響をおよぼす遺伝子変異を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
本研究により確立できたゲノム編集技術を用いて、複数の遺伝子変異を導入したマウスを作製し、形態に異常が発生するのか検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定よりも少ない試薬を用いて効率よく実験を遂行できたため、次年度使用額が生じた。消耗品費(実験動物)に充当する。
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