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2023 年度 実施状況報告書

代謝経路再編成が概日リズム経路を介し、幹細胞性維持、細胞死回避に及ぼす影響の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K09262
研究機関宮崎大学

研究代表者

横上 聖貴  宮崎大学, 医学部, 准教授 (40284856)

研究分担者 水口 麻子  宮崎大学, 安全衛生保健センター, 講師 (00647472)
山下 真治  宮崎大学, 医学部, 講師 (40468046)
竹島 秀雄  宮崎大学, 医学部, 教授 (70244134)
渡邉 孝  宮崎大学, 医学部, 客員研究員 (90573337)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード概日リズム / BMP / ALK3 / GREM2 / 髄膜腫 / 細胞老化 / 石灰化
研究実績の概要

下に記したように概日リズムと悪性神経膠腫の密接に関連について研究を進めていたが、既に発表されている内容のみで新たな発見には至らなかったため、研究対象を広げ、髄膜腫での概日リズムについて調べることにした。動脈硬化の分野では概日リズムの乱れは動脈硬化と密接に関連しており、概日リズムを司るBMAL1の欠損は、BMPを介したシグナル伝達を介して内皮間葉転換(EndMT)を悪化させるという報告があり(Am J Transl Res, 2018)、髄膜腫についてこれを調べた。髄膜腫は、良性の場合石灰化を伴うと成長速度が遅く、周囲の骨にhyperostosis など骨の変化をもたらすという特徴がある。BMP signal は骨形成にかかわる成長因子でもあるため、BMP signal と髄膜腫の成長速度、石灰化は関係があるのではないかと考えた。以下に実験の結果を示す。
1)髄膜腫の初代培養細胞と、悪性髄膜腫の細胞株を用いてALK3 を介するBMP シグナルを抑制すると髄膜腫の増殖が抑制された。2)ALK3 の結合蛋白であるGREM2の発現が高いと腫瘍の増殖能力は低下し、細胞老化をもたらすことを見出した。3) BMP シグナルの抑制はキヌレニン産生からセロトニン産生へトリプトファン代謝をシフトさせ、酸化的リン酸化にかかわる酵素発現を減少させることを見出した。4)ALK3 の抑制薬を長期間作用させると、悪性髄膜腫において細胞老化、石灰化を誘導することができた。

本研究結果は、BMP シグナルを制御することによって、細胞老化という新しい機序で悪性髄膜腫の増殖を制御する新たな治療法の提案が可能と考え特許の申請を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

我々は、概日リズムと悪性神経膠腫の密接な関連について研究を進めていたが、既に発表されている内容のみで新たな発見には至らなかったため。

今後の研究の推進方策

本研究で使用した、ALK3阻害薬は、使用濃度が高く動物実験には使用できない可能性がある。そこで、本阻害薬の構造式をもとに in silico で構造の似た低分子化合物を pick up し、同様の結果が得られるのかを検討する。また、vitro で得られた結果をもとに動物実験を行いたいと考えている。最終的には、概日リズムと細胞老化の関係性に踏み込みたいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Inhibition of BMP signaling pathway induced senescence and calcification in anaplastic meningioma2024

    • 著者名/発表者名
      Yokogami Kiyotaka、Watanabe Takashi、Yamashita Shinji、Mizuguchi Asako、Takeshima Hideo
    • 雑誌名

      Journal of Neuro-Oncology

      巻: 2024 Mar 6 ページ: 1-14

    • DOI

      10.1007/s11060-024-04625-2

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] トリプトファン代謝経路のシフトが髄膜腫の増殖、細胞老化、石灰化を司る2023

    • 著者名/発表者名
      横上 聖貴、渡邉  孝、水口 麻子、山下 真治、竹島 秀雄
    • 学会等名
      第41回日本脳腫瘍学会学術集会
  • [学会発表] Induced senescence and calcification to anaplastic meningioma2023

    • 著者名/発表者名
      Kiyotaka Yokogami, Shinji Yamashita, Asako Mizuguchi, Takashi Watanabe, Hideo Takeshima
    • 学会等名
      EANO Meeting 2023
    • 国際学会
  • [産業財産権] 細胞を操作する方法、細胞操作用の組成物および細胞増殖抑制薬2023

    • 発明者名
      横上 聖貴
    • 権利者名
      横上 聖貴
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      特願2023-1332509

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公開日: 2024-12-25  

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