研究課題/領域番号 |
22K09274
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
穂刈 正昭 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (30622807)
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研究分担者 |
藤村 幹 北海道大学, 医学研究院, 教授 (00361098)
川堀 真人 北海道大学, 医学研究院, 助教 (50399870)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 脳虚血 / 間葉系幹細胞 / エクソソーム |
研究実績の概要 |
「心停止・重症SAH・低酸素・外傷性脳圧亢進」等によってもたらされる「広範性脳損傷」は「難治性の意識障害(遷延性意識障害)」をもたらし、その治療法の開発は急務である。本研究は「間葉系幹細胞」から分泌され神経保護作用を有する「エクソソーム」を「高濃度で脳内に到達させる」ため「経鼻的投与法」を採用し治療効果を2つの観点から検討する。①異なる時間軸での効果検証(「急性期」および「慢性期」投与に対するエクソソームの脳内分布と治療効果)、そしてその新規的作用機序である②「脳-腸」相関機構の解明である。①は臨床応用を考えた際に重要な非臨床POCを取得する事を目指し、②は今までに報告されていない新たな回復機序の解明につながると考えられる。 これまでに予備的検討として、心停止モデルおよびSAHモデルの確立を行い、適切なモデルの作成に成功した。心停止モデルはSDラットを用いて両側椎骨動脈遮断の翌日に一過性(30分)の両側総頚動脈遮断を行う、またSAHモデルは前頭蓋底に500ulの自家血を定位的に5分かけて投与する事で作成する。共に評価に耐えうる再現性の高いモデルとなった。エクソソームの抽出とラベリングについても検討を行い方法を確立した。エクソソームは幹細胞培養液上清を超遠心(10万G)で遠心することで確立した。評価としてサイズ分布(概ね100nm程度)と表面マーカー(CD9とCD60陽性、カルネキシン陰性を確認した)。経鼻的投与に関しても適切な方法を確立した。20-100ulを麻酔下のラットに対して経鼻的にピペットを用いて投与する
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物モデルにおいて一定程度の予備実験が終了し、良好な結果が得られている。現在nを増やして対応している
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今後の研究の推進方策 |
作用機序や脳への伝達メカニズムなどについての検討を行う
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナによる研究所閉鎖の影響があったため想定していた動物実験が出来なかった事で、そのための資金が余る結果となった。ただ金額は3万円程度と少額であるため翌年の基礎研究にて迅速に使用する予定である。
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