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2023 年度 実施状況報告書

血管内皮細胞血流感知システム阻害による頸動脈狭窄症の治療薬の開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K09297
研究機関独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター)

研究代表者

丹羽 陽子  独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 糖尿病研究部, 研究員 (60623618)

研究分担者 福田 俊一  独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 糖尿病研究部, 研究室長 (10600546)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード頸動脈狭窄症 / 血管内皮細胞血流感知システム / P2X4
研究実績の概要

本研究では、血管内皮細胞血流感知システムが頸動脈狭窄症の発症に関係しているのではないかという仮説をもとにして、その中でも特にP2X4遺伝子に着目して免疫組織化学的手法や病理学的手法による形態学的な観察やウエスタンブロットなどの分子生物学的な検討を行ってきた。症例は、血管内皮細胞血流感知システムP2X4 KOマウス群とコントロールのC57/BL6群それぞれにおいて、昨年度の症例に加えて、免疫組織化学20例、ウエスタンブロット20例、RT-PCR20例ずつにP2X4 KOマウスのnon ope群5例 である。代表する炎症因子としてはよく用いられるCox2、TNFα、Mcp1、IL6、IL18、 IL1β、iNosの7つの因子を選択して調べた。比較用の内部標準因子として、Actgを用いた。また、本年度はP2X4 KOマウスのnon ope群以外のすべての症例で、左頸動脈に狭窄手術を行い、狭窄手術のありとなしでの比較も行なった。
その結果、頸動脈狭窄症モデルマウスにおいて、血管内皮細胞血流感知システムの一つであるP2X4 KOマウス群では、コントロールのC57/BL6群と比較して、炎症因子の発現が抑制されていた。また、手術無しの右側頸動脈では、手術有りの左側頸動脈と比較して、炎症因子の発現が抑制されていた。
この結果は、現在では、内膜剥離術などの外科的治療やステント導入などの治療しかなく患者の負担が問題になっている頸動脈狭窄症の外科的治療以外の負担が少ない新たな治療の可能性について一端を開くものと考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は、P2X4 KOマウスとコントロールマウスについて、昨年度の例数に加えて、免疫組織化学染色20例、ウエスタンブロット20例、RT-PCR20例ずつとP2X4 KOマウスのnon ope群5例について、代表する炎症因子としてCox2、TNFα、Mcp1、IL6、IL18、IL1β、iNosを選択して調べた。
その結果、頸動脈狭窄症モデルラットやマウスにおいて、血管内皮細胞血流感知システムの一つ である、P2X4ノックアウトマウス群とコントロールマウス群(C57/BL6)で炎症因子の発現を比較したところ、昨年の結果通り、P2X4ノックアウトマウス群では炎症因子の発現が抑制されていた。ただ、研究計画の今年度の計画部分は、ここ数年の新型コロナの影響による試薬などの納品の遅れなどにより、当初の計画より幾分遅れている。

今後の研究の推進方策

今後は、今年度の結果を踏まえて、例数を増やすなどして更に結果の安定性を確かめて、P2X4遺伝子をノックアウトすることによって頸動脈狭窄症にどのような影響を及ぼすかを確認し、内膜剥離術などの治療法と比較して患者への負担も少ない治療法を開発し、将来的に現在の治療法に代わるような治療法確立の基礎を築いていく。

次年度使用額が生じた理由

ここ数年続いている新型コロナの影響で、試薬の納品までに時間がかかってしまったりしたため、当初の予定より実験を行えた回数が減ってしまい、その分、使用した費用が見込みより少なくなったため、繰越金が生じた。
生じた繰越金で今年度に行う予定であった分のRT-PCRや、ウエスタンブロット、病理組織化学染 色などのデーターを積み重ねて、実験結果をより確実にする予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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