研究課題/領域番号 |
22K09306
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
赤崎 幸穂 九州大学, 大学病院, 講師 (60568963)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 変形性関節症 / 軟骨変性 / 軟骨代謝 |
研究実績の概要 |
九州大学病院整形外科および連携しているクリニックを受診した関節水腫を伴う変形性膝関節症(膝OA)患者のうちで、ヒアルロン酸(HA)注射治療の適応症例から、初回HA投与前に穿刺・吸引した関節液を冷凍保存した。5回目のHA投与となる4週後の関節液、および以降も水腫持続症例では12週後の関節液も保存した。手術治療である高位脛骨骨切り術を選択した膝OA症例を対象として、手術時の関節鏡視下に、変性部の軟骨、増生した骨棘と滑膜を採取した。採取は、同意を得られた患者を対象に、通常治療(骨髄刺激法、滑膜切除)範囲内で行い、採取後すぐに、Allprotect Tissue Reagent (QIAGEN)によってRNAと蛋白を安定化保存した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の一年間は臨床サンプルである関節液採取と組織採取を行い、次の網羅的解析の準備を完了した。
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今後の研究の推進方策 |
初診時、4週後、12週後の関節液のメタボローム解析を行う。群間比較と同一患者内比較により、臨床スコアに相関する有意な代謝物質とパスウェイを早期・進行期OAそれぞれにおいて検討する。骨切り術時と1年後の抜釘術時に、関節鏡視での軟骨修復スコアとKOOSの臨床スコアを取得する。スコアで有意に改善した早期・進行期OAにおいて、軟骨変性制御・再生に関連する因子・シグナル系を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
術後1年時の組織サンプル採取が次年度への繰り越しとなったため、次年度使用額が生じた。経時的な変化を解析するため、時間の経過を要した。次年度で組織採取と同時に解析を行う分であり、次年度分の助成金と合わせて計画通りに使用する。
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