研究課題/領域番号 |
22K09313
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
小田 良 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80516469)
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研究分担者 |
岸田 綱郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00370205)
素輪 善弘 京都大学, 医学研究科, 講師 (80468264)
土田 真嗣 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10719834)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 末梢神経 / 再生医療 / 人工神経 / 脂肪由来幹細胞 / 多血小板血漿 |
研究実績の概要 |
末梢神経損傷は、労働災害や交通事故の他、日常の軽微な外傷でも起こり得る頻度の高い疾患である。大きな欠損を伴う神経断裂では自家神経移植が施行されるが、移植に用いる神経の支配領域に知覚脱失が生じる。これを回避するため、再生医療が研究されてきた。末梢神経の再生医療には、①再生軸索の足場となるスキャフォールド、②軸索再生に重要な役割を果たすシュワン細胞や神経前駆細胞などの細胞成分、③シュワン細胞の増殖・遊走、血管新生などに関わる成長因子の3つの要素が重要となる。①についてはチューブ型の人工神経が臨床応用されている。われわれはこれまでに、②については脂肪由来幹細胞(ADSC)が高い神経再生効果を有することを確認し、③については多血小板血漿(PRP)が神経再生を促進するメカニズムを解明してきた。そこで本研究では、①~③を三位一体として用いることで治療効果を促進し、良好な神経機能の再獲得を有する新たな末梢神経再生法の開発にむけた基盤を確立することを目指す。 本年度は、器械的操作で得られるADSCと、従来法のコラゲナーゼ処理で得られるADSCを比較して、in vitroにおける間葉系の表面抗原マーカーの発現、および脂肪細胞・軟骨細胞・骨芽細胞への分化能に有意差を認めないことを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、in vitro実験によって、器械的操作で得られるADSCと、従来法のコラゲナーゼ処理で得られるADSCの比較を行うことが出来た。今後は両者を用いたin vivo実験に移行することが出来る。
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今後の研究の推進方策 |
今後は器械的操作で得られるADSCと、従来法のコラゲナーゼ処理で得られるADSCを人工神経に充填して、坐骨神経欠損モデルマウスに移植することで、末梢神経再生能を比較する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の実験が順調に推移したため。また、来年度以降に行うin vitro実験により多くの研究費が必要になると考えられるため。
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