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2023 年度 実施状況報告書

ヒト脂肪組織由来幹細胞と多血小板血漿を併用した新たな末梢神経再生法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K09313
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

小田 良  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80516469)

研究分担者 岸田 綱郎  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00370205)
素輪 善弘  自治医科大学, 医学部, 准教授 (80468264)
土田 真嗣  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10719834)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード末梢神経 / 再生医療 / 人工神経 / 脂肪由来幹細胞 / 多血小板血漿
研究実績の概要

本年度も3つの要素技術である再生軸索の足場となるスキャフォールド、軸索再生に重要な役割を果たすシュワン細胞や神経前駆細胞などの細胞成分、シュワン細胞の増殖・遊走、血管新生などに関わる成長因子を結び付けて、末梢神経再生を促進することを目的として研究を行った。多能性を確認するため、脂肪組織から脂肪由来幹細胞(adipose tissue derived stem cell、以下ADSC)を多く含むペレット(micronized cellular adipose matrix、以下MCAM)から脂肪細胞、骨芽細胞、および軟骨細胞への前年同様の方法で誘導実験を行い、神経再生効果を検討するため、人工神経のチューブ内にMCAMを充填して、免疫不全マウスの坐骨神経欠損モデルに移植した。2か月後に下腿三頭筋の筋電図を評価し、坐骨神経を採取して永久標本とし、電子顕微鏡下に再生ミエリン鞘の厚みを測定した。
走査型電子顕微鏡での所見は、吸引された脂肪組織は正常な構造を有し、脂肪細胞は細胞外繊維に均一に接着していたのに対し、MCAMでは小さな脂質滴を含む脂肪細胞はわずかであった。アディナイザーを用いた微粉化機械的処理によって、小さな新しい脂肪細胞や間質細胞が細胞外マトリックスから分離され、大きな成熟脂肪細胞の含量が減少したことを明らかにした。
神経のgap間に新たに再生した神経組織像では、ANCの中心部の崩壊と縮小が認められた対照群よりも、MCAM群の方がより強固な架橋が生成しており、MCAM群とSVF群との間に明確な差は認められなかった。再生した架橋神経束は、MCAM群とSVF群で同じ太さと密度であった。MCAM群における腓腹筋のピークCMAPは、コントロール群よりも有意に大きく(P = 0.031)、SVF群では同程度であった(P = 0.510)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定どおりin vivoの実験結果が得られている。

今後の研究の推進方策

来年度も引き続き多能性と神経再生誘導能につき多角的に検証する予定としている。

次年度使用額が生じた理由

本年度の実験が順調にすすめられたこと、また、来年度以降に行うin vitroとin vivo実験により多くの研究費が必要になると考えられるため。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Micronized Cellular Adipose Matrix Promotes the Therapeutic Effect of an Artificial Nerve Conduit in Peripheral Nerve Gap Injury2023

    • 著者名/発表者名
      Sawai Seiji、Sowa Yoshihiro、Kishida Tsunao、Inokawa Hitoshi、Inafuku Naoki、Tsuchida Shinji、Oda Ryo、Fujiwara Hiroyoshi、Mazda Osam、Yoshimura Kotaro、Takahashi Kenji
    • 雑誌名

      Plastic & Reconstructive Surgery

      巻: 151 ページ: 959e~969e

    • DOI

      10.1097/PRS.0000000000010136

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 金属フィルターで精製した脂肪間質を付加する新しい人工神経移植法について2023

    • 著者名/発表者名
      澤井誠司,素輪善弘,井ノ川仁,岸田綱郎,稲福直樹,土田真嗣,小田 良,藤原浩芳,松田 修,吉村浩太郎,高橋謙治
    • 学会等名
      第66回日本手外科学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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