研究課題/領域番号 |
22K09315
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
相川 淳 北里大学, 医学部, 講師 (90317008)
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研究分担者 |
大久保 直 北里大学, 医学部, 准教授 (10450719)
板倉 誠 北里大学, 医学部, 准教授 (30398581)
佐藤 雅 北里大学, 医学部, 講師 (40611843)
美間 健彦 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (80596437)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 変形性関節症 / peptide Lv / 疼痛 |
研究実績の概要 |
変形性関節症の病態において種々の神経ペプチドが関与することが報告されている。近年、我々は神経ペプチドPeptpide Lv 欠失マウスは滑膜炎モデルではTNF-a発現が亢進することを明らかにした。さらに、昨年度の結果から、Peptide Lvは滑膜線維芽細胞に発現すること、マクロファージの極性化に関与することを明らかにしてきた。近年我々は、滑膜組織には種々の線維芽細胞サブセットが存在することを報告してきた。本年度は、滑膜線維芽細胞サブセットにおけるPeptide Lvの発現を検討した。また、滑膜組織におけるPeptide Lvの発現とOA疼痛との関連性を検討した。人工膝関節全置換術時に滑膜組織を採取後、酵素処理、有核細胞を得た。抗体反応後、セルソーターを用いて線維芽細胞分画(CD31-CD45-CD90+)におけるCD39-CD55-, CD39-CD55+, CD39+CD55-細胞を採取した。採取後、RNA-Seqを行い、発現変動遺伝子を検討した。また、滑膜組織におけるPeptide Lv の発現と疼痛スコアVASとの関連性を検討した。CD39-CD55-, CD39-CD55+, CD39+CD55-間でPeptide Lvの発現に有意な差は認めれなかった。一方、Peptide Lvと安静時痛との間に負の相関を認めた。昨年度までの結果と本年度の結果を踏まえると、Peptide Lvの低下はM2 poralizationの低下による炎症増悪を招き、疼痛を引き起こす可能性があると考えられた。各線維芽細胞サブセットによるPeptide Lvの役割は不明であり、更なる検討が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに、Peptide Lvの発現細胞、疼痛との関連性、治療シーズとしての有用性を明らかにしており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
線維芽細胞サブセットにおけるPeptide Lvの役割や疼痛機構の詳細を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定に比べ、滑膜組織の解析の遅れが生じたため、次年度使用額が生じた。来年度使用する予定である。
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