研究課題/領域番号 |
22K09341
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研究機関 | 医療法人徳洲会野崎徳洲会病院(附属研究所) |
研究代表者 |
岸 真五 医療法人徳洲会野崎徳洲会病院(附属研究所), 研究所, 連携研究員 (50790341)
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研究分担者 |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 骨肉腫 / エネルギー代謝 / mitochondria係留因子 / 酸化ストレス / Src family kinase |
研究実績の概要 |
申請者はかねてよりPDZD8が悪性腫瘍特異的に発現が亢進しており、それがミトコンドリア-小胞体コンタクトサイトに濃縮されていること。その発現の低下はミトコンドリア内に二価鉄を著増させ、ストレス環境下での呼吸量調節機能の低下をもたらし活性酸素による激しい細胞死を誘導することを見出している。本研究はPDZD8を制御するシグナルを明らかにし、治療標的化を目的としている。我々はまず、mitochondria2価鉄蛍光プローブを使用し、阻害剤スクリーニングパネルを用いて、二価鉄のupregulateされる阻害剤を複数同定し、6種の阻害剤に絞り込みを行った。その後Western blotにてPDZD8のたんぱく量を測定したところ、複数のSrc family kinaseに特異的な阻害剤においてたんぱく量が減少していることが分かった。次に5種類のSrc family kinase阻害剤を使用しPDZD8のたんぱく量を測定したところLckを阻害する阻害剤で減少していた。以上からPDZD8はSrc family kinaseの中でも特にLckにより制御を受けていると考えられた。またこれらLckの阻害剤はmitochondria内2価鉄量を増加させ、ROS産生を増加させることにより、骨肉腫細胞特異的な細胞毒性を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PDZD8の発現量を調節し、mitochondria内2価鉄量を制御するシグナルを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
LckシグナルとPDZD8の発現調節機構の解明を目指すとともに、治療標的化を行い臨床応用を目指す
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次年度使用額が生じた理由 |
譲渡を受けた阻害剤ライブラリーを使用し、研究室に既存の試薬を用いたため。次年度に動物実験等を主に行う予定である。
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