研究課題/領域番号 |
22K09358
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
亀井 義明 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (90623702)
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研究分担者 |
今井 祐記 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (10423873)
池戸 葵 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 特定研究員 (60834520)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アロマターゼ / 脂肪組織 / 癌治療関連骨量減少症 |
研究実績の概要 |
閉経後ホルモン受容体陽性早期乳癌患者の術後補助療法において、アロマターゼ阻害剤の5-10年投与は標準治療となっており多くの患者に投与している。しかし、アロマターゼ阻害剤の投与期間中、経年的に骨量減少をきたす患者が多いことが問題となっている (癌治療関連骨量減少症)。閉経後女性では卵巣機能が低下していることから、上記の問題は卵巣由来では無い、各組織のアロマターゼにより生合成されるエストロゲンが骨量維持に寄与している可能性が考えられる。 以前より脂肪組織はエストロゲン欠乏時のエストロゲン生合成の場となり、骨量を維持することが推察されてきた。そこで我々は脂肪細胞で特異的なアロマターゼ遺伝子欠損マウスを作出したところ、雄および卵巣摘出をした雌マウスの骨量が減少することを見出した。この結果は、脂肪局所でアロマターゼにより生合成されたエストロゲンが、元々血中エストロゲン濃度の低い男性や閉経後のエストロゲン濃度が低下した女性の骨量維持に関与することを示唆している。しかし、これらの詳細な分子基盤は全く不明である。以上のことから、本研究目的は、脂肪局所におけるアロマターゼを介したエストロゲン生合成による骨量制御機構を解明することとした。 骨表現型解析の結果、脂肪特異的アロマターゼ遺伝子欠損マウスの骨量減少は、類骨量の増加に起因しており、石灰化異常が生じていることが示された。そこで、RNA-seqを実施し、その標的遺伝子を同定を試みた。現在、標的遺伝子の探索と機能評価を実施している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
骨表現型を制御する標的遺伝子の探索のため、RNA-seqを実施した。現在、候補遺伝子を探索中であり、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
現在、RNA-seqより抽出された遺伝子群から骨表現型を制御する候補遺伝子を探索しており、今後は機能評価を進めることで、標的遺伝子を同定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品の使用が比較的少なく使用額に余りが生じたが、実験は順調に進んでおり次年度の解析に使用予定
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