研究課題/領域番号 |
22K09361
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
小原 尚 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20919732)
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研究分担者 |
福士 龍之介 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00894065)
廣田 亮介 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10815434)
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (20538136)
栗原 康太 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (20855803)
山下 敏彦 札幌医科大学, 医学部, 教授 (70244366)
佐々木 優子 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80631142)
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Staggered lesion / 脊髄半切断 / MSC / アデノ随伴ウイルス / 組織透明化 |
研究実績の概要 |
これまで我々は、脊髄圧挫モデルに対し、骨髄間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells:MSC)を経静脈的に投与 (MSC治療)した結果、運動機能の回復が得られることを明らかにしてきた。先行研究から、機能回復のメカニズムとして、我々は損傷された神経回路ネットワークが再構築されることを見出してきた。本研究では、異なる脊髄高位で脊髄半切断を作製するモデル(Staggered lesion:以下SLモデル)に対して、骨髄間葉系幹細胞(MSC)を投与し、治療メカニズムの解明を試みている。行動学的解析は後肢の運動機能を評価するBasso-Beattie-Bresnahan(以下BBB)スコアを用いた。SLモデル作製後1日にMSCを投与する群(MSC投与群)と、DMEMを投与する群(Vehicle群)を、モデル作製日、3日後、7日後、14日後、21日後、28日後にBBBを測定して比較している。また、我々は、既に優れた神経軸索追跡トレーサーであるアデノ随伴ウイルス(AAV)を用いて神経回路の可視化を可能としてきた。組織透明化を行い、光シート顕微鏡で観察することで3次元的な解析が可能になることが報告されており、SLモデルに対して解剖学的・組織学的解析を行うことで、再構築された神経回路を確認し、さらにMSC治療を行うことでどのような変化が生じるかを解明する実験を行っている。以上より、補助金は適切に使用されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
神経軸索追跡トレーサーであるアデノ随伴ウイルス(AAV)による神経解剖学的解析を行っているが、コロナ禍のため、動物実験の遂行に遅れた生じたために、現在までの進捗はやや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、動物実験、神経解剖学的解析を継続し、また、MRI解析も行って再構築された神経回路を確認したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍が続き、実験施設の使用が制限されたこともあり、次年度使用額が生じた。今後は運動機能の改善の機序解明のため、動物実験、神経解剖学的解析、MRI解析を実施して行う方針であり、そのための実験に関わるための費用が必要となるため。
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