研究課題/領域番号 |
22K09363
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
藤井 宏真 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00625791)
|
研究分担者 |
岸 真五 医療法人徳洲会野崎徳洲会病院(附属研究所), 研究所, 連携研究員 (50790341)
塚本 真治 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70646166)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 間葉系幹細胞 / ミトコンドリアトランスファー |
研究実績の概要 |
間葉系幹細胞(MSC)は細胞間にtunneling nanotubesを形成し、障害を受けた細胞にミトコンドリアを移行し、細胞機能の回復させることが知られているが、詳細なメカニズムは明らかでない。我々は、大腸がん細胞において損傷細胞から細胞外に放出されるHMGB1がMSCを誘引することを見出している。さらにHMGB1は酸化型ならびに還元型の修飾タイプが存在する。このうち酸化型HMGB1がミトコンドリアトランスファーに関与していることを明らかにした。骨肉腫細胞株SaOS2ならびにMG63、骨芽細胞MC3T3-E1細胞障害を引き起こすためにアドリアマイシンの投与を行いMSCとの共培養をおこなったところ、細胞損傷のない細胞と比べてミトコンドリアトランスファーが促進され増殖能が保たれた。 また、酸化型HMGB1を用いることで、障害をうけた細胞の修復能増強効果を期待しているが、骨芽細胞へのミトコンドリア移行は確認できており、ミトコンドリア移行による低酸素耐性の亢進も確認することができた。このことからミトコンドリアトランスファーによって障害細胞修復が促進されることが期待できると考えている。 また並行して動物モデル作成も行なっているが、高血圧モデルラットにおいて過去の報告通り大腿骨頭壊死が発症することは確認できた。しかし、幼若マウスで発症することは稀だったため外科的に作成を行なっている。 高血圧モデルラットでは、壊死部の修復にはまだ大きな差は見られていない
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
動物実験への応用がまだすすんでいない。 大腿骨頭壊死モデルの作製に関しては、成熟マウスでの作成に成功したが、若齢のマウスにおいて大腿骨頭壊死モデル作製がうまく行っていない。技術的な部分もあると考え現在いくつかの作成方法を試している。
|
今後の研究の推進方策 |
幼若マウスにおける大腿骨頭壊死モデルが安定的に作製できる様になれば、すぐに動物実験に移る予定。
|
次年度使用額が生じた理由 |
動物モデル作製がおくれており、動物購入分が次年度となっている。
|