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2023 年度 実施状況報告書

新規医療用接着シートを用いた切断神経の接着における強度および癒着防止効果の検討

研究課題

研究課題/領域番号 22K09364
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

鈴木 拓  慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (90445304)

研究分担者 田口 哲志  国立研究開発法人物質・材料研究機構, 機能性材料研究拠点, グループリーダー (70354264)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード生体接着剤 / 神経断裂
研究実績の概要

近年,タラ由来のゼラチンを用いた医療用接着シートが開発され,従来より高い接着強度と生体親和性を有することがブタの血管を用いて確認されている.本研究では新規に開発されたタラ接着シートによる,断裂した神経を接着した際の強度の増強を確認する.さらに同タラ接着シートにて接着した神経組織の機能回復,癒着防止機能を検討し,将来的に実臨床での実用化を目的とする.
強度試験では、現在までに新鮮屍体の指神経を用いて1. 従来の縫合糸を用いた縫合 (8-0ナイロン糸)、2.縫合糸を用いた縫合 (8-0ナイロン糸)+タラ接着シートによる接着 、3.タラ接着シートのみの接着、4. フィブリンによる接着を用いた引張試験を行った。
縫合糸を用いた縫合+タラ接着シートによる接着は縫合糸を用いた縫合よりも有意に強度が高くなることが証明された。
また タラ接着シートのみの接着は、まだ縫合糸の強度には及ばないという結果が得られたが、従来用いられてきたフィブリンよりも高い接着強度が得られた。
機能評価では同接着剤を用いて接着された神経の機能評価を行うことで,本接着剤が接着のみならず, 接着後の機能も維持されていることを確認中である。 機能評価はラットの坐骨神経を用いて行い, 接着後8 週において行った.肉眼での連続性, 前脛骨筋の重量, Sciatic functional index を測定することで神経の回復の状態を評価している最中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

指神経を用いた強度試験において、シートを縫合糸に加えることにより、従来の縫合糸よりも強度が強いことが証明されたから。

今後の研究の推進方策

現在の生体接着シートの神経に対する強度は証明されたため、今後は、機能試験、組織学的評価を行う予定である。
また癒着の評価も引き続き行う

次年度使用額が生じた理由

2023年度に、神経切断モデルの分析を行い、その結果を基に国内、海外学会で発表する予定であったが、結果がでるまでにやや時間がかかったため、未使用額が 生じた。
次年度の使用計画については「旅費として計上および研究遂行上必要となった機材の購入に充てる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] タラゼラチンシートによる神経接着の検討2023

    • 著者名/発表者名
      辻阪亮介, 鈴木 拓, 田口哲志
    • 学会等名
      日本手外科学会学術集会

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公開日: 2024-12-25  

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