研究課題/領域番号 |
22K09366
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
仲谷 照代 武庫川女子大学, 食物栄養科学部, 准教授 (20342933)
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研究分担者 |
辻 邦和 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, ジョイントリサーチ講座教授 (20323694)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | MEF2C / RankL / 閉経後骨粗鬆症 / 骨髄 / 骨細胞 |
研究実績の概要 |
本研究では、閉経に伴うエストロゲン低下が骨細胞または骨髄MEF2C増加を引き起こすことにより、Rankl発現が増加し、破骨細胞の活性化、また骨髄内脂肪、骨形成バランスに影響を与え、骨粗鬆症へと導くという研究仮説を検証するため、マウス骨髄由来間葉系幹細胞(ST2)からの脂肪細胞分化誘導系を用いた機能解析、また骨細胞特異的Mef2cノックアウトマウスの卵巣を摘出することにより閉経後骨粗鬆症モデルとなるマウス(OVX)を用いた機能解析、骨表現型の解析を行う。 1.骨髄MEF2Cが破骨、脂肪、骨芽細胞分化に寄与しているか、C/EBPsがMEF2C発現に関与しているか明らかにする。 骨髄中には脂肪、骨芽、破骨細胞などの前駆細胞が存在するが、骨髄内脂肪細胞分化の初期段階に必要な転写因子、C/EBPsを介してRANKLの発現が誘導され、脂肪細胞分化と破骨細胞分化のクロストークが示唆された。加齢に伴い骨髄内で脂肪細胞が増加し骨形成が減少する。ST2細胞の脂肪細胞分化誘導系を用いた機能解析:培養条件の検討を行った。具体的には、pcDNA3-Mef2cを細胞にトランスフェクションをし、IBMX, Dex.等の刺激条件下でtime-courseやdose-dependentなどにより培養条件設定の検討。pcDNA3.1mouseC/EBP beta とpcDNA3.C/EBP deltaプラスミドを購入し、トランスフェクションの準備。 2.骨細胞MEF2C増加が閉経後骨粗鬆症に関与しているか否か明らかにする。 骨細胞特異的Mef2cノックアウトマウス(骨細胞Mef2c KOマウス)の作製:分担者所属大学での動物実験計画承認を得ることが出来、Jackson labから凍結胚(Mef2c〈tmJjs〉/J_Embryo)が納品され、固体化を行い、Prx1CreとのKOマウスの交配を開始。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.ST2細胞の脂肪細胞分化誘導系を用いた機能解析:骨髄MEF2Cが破骨、脂肪、骨芽細胞分化に寄与しているか、C/EBPsがMEF2C発現に関与しているか明らかにする。 ST2細胞を用いたin vitro 実験では、培養条件の検討を行った。具体的には、pcDNA3-Mef2cを細胞にトランスフェクションをし、IBMX, Dex.等の刺激条件下でMef2cの脂肪誘導関連遺伝子、またRANKLへの影響を確認するため、培養条件設定の検討を行っている。pcDNA3.1mouseC/EBP beta とpcDNA3.C/EBP deltaプラスミドは購入し、トランスフェクション準備を行っている。ST2細胞を用いた実験系を進める上で必要な培養条件設定を行っており、予定通り進んでいると考えられる。 2.骨細胞特異的Mef2cノックアウトマウス(骨細胞Mef2c KOマウス)の作製:骨細胞MEF2C増加が閉経後骨粗鬆症に関与しているか否か明らかにする。 分担者所属大学での動物実験計画承認を得ることが出来、Jackson labから凍結胚(Mef2c〈tmJjs〉/J_Embryo)が納品され、固体化を行い、Prx1CreとのKOマウスの交配を開始した。骨細胞Mef2cKOマウスの作製が予定通り進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
1.ST2細胞の脂肪細胞分化誘導系を用いた機能解析:骨髄MEF2Cが破骨、脂肪、骨芽細胞分化に寄与しているか、C/EBPsがMEF2C発現に関与しているか明らかにする。 得られた培養条件を基に、pcDNA3-Mef2cの細胞へのトランスフェクション、IBMX, Dex.等の刺激条件下でMef2cの脂肪誘導関連遺伝子、またRANKLへの影響を確認し骨髄MEF2Cが破骨、脂肪、骨芽細胞分化に寄与しているか検討する。また、pcDNA3.1mouseC/EBP beta とpcDNA3.C/EBP deltaのST2細胞へのトランスフェクションの培養条件設定の検討を確認した後、C/EBPsがMEF2C発現に関与しているか確認する。 2.骨細胞特異的Mef2cノックアウトマウス(骨細胞Mef2c KOマウス)の作製:骨細胞MEF2C増加が閉経後骨粗鬆症に関与しているか否か明らかにする。 得られたMef2c〈tmJjs〉、Prx1CreとのKOマウスを用いて、卵巣を摘出することにより閉経後骨粗鬆症モデルとなるマウス(OVX)を作製し、用いた機能解析、骨表現型の解析準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナの影響等で動物実験計画承認に時間がかかり、マウス維持費にかかる費用が予定より少なくなった事、また物価上昇の影響により」PCR購入金額が予定を上回ったため、他の物の購入金額が不足したため、次年度に繰り越しとなった。次年度はマウスの維持費も増加すると見込まれ、また他の予定品の購入も次年度の分と合わせて購入予定にしている。
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