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2023 年度 実施状況報告書

新規肉腫モデルを用いた肉腫発生メカニズムの解明と治療標的分子同定の試み

研究課題

研究課題/領域番号 22K09378
研究機関岡山大学

研究代表者

上原 健敬  岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (00644379)

研究分担者 中田 英二  岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10649304)
宝田 剛志  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30377428)
尾崎 敏文  岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (40294459)
高尾 知佳  岡山大学, 医歯薬学域, 講師 (40612429)
山田 大祐  岡山大学, 医歯薬学域, 研究准教授 (50733680)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード肢芽間葉系細胞 / ユーイング肉腫 / 滑膜肉腫
研究実績の概要

本研究はヒト肢芽間葉系細胞(Limb bud mesenchymal cells, LBM)、およびその分化系譜上の細胞に、人為的摂動(遺伝子変異、シグナル、細胞外環境)を加えることで、骨肉腫や軟骨肉腫などへの発がん過程(肉腫化)を再現することを当初の目的としている。
TP53を欠損したヒトiPS細胞株414C2を作成し、PiggyBac Transposon Vector System を用いてこれらの融合遺伝子をドキシサイクリン誘導的に発現させる系を構築した。導入する発現遺伝子としては、ユーイング肉腫に特徴的な融合遺伝子であるEWS-FLI1および滑膜肉腫に特徴的な融合遺伝子であるSS18-SSX1を用いた。遺伝子導入にて作成したこれらの細胞株は我々の確立した方法により継続拡大培養が可能であり、expandable LBMへの誘導も可能であった。
次いで、本細胞株を骨原基まで分化誘導させたのちに同組織としてを免疫不全マウスに移植したのち、ドキシサイクリンを投与した。移植組織体はEWS-FLI1の発現誘導によって腫瘍形成が確認された。これにより当初の目的の一つであった発がん過程(肉腫化)の一つの再現モデルとして確立できた。また、SS18-SSX1の発現系に関しても同様に処置を行った。移植後の組織体を免疫組織学的に解析した結果、融合遺伝子の発現系がサイレンシングによって不活化している可能性が見出された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ユーイング肉腫に関してはモデル作成が成功したため。

今後の研究の推進方策

免疫染色などを行うことによって、ユーイング肉腫マーカーの発現等を解析する。
滑膜肉腫モデルに関しては、分化誘導中も発現系のサイレンシングが生じない様に薬剤セレクションを継続するなどの対処を行う。

次年度使用額が生じた理由

本研究により確立された腫瘍誘導系に関して、当初は国内学会・国際学会への発表を予定し、研究経費の計上を行っていた。研究の進展の結果、中途での研究成果の公表が特許などの戦略上不利益となる可能性が考えられ、学会での研究発表を控える方針に変更したことから、次年度使用が生じた。令和6年度、特許関連費用や解析費用へ充てる予定である。

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公開日: 2024-12-25  

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