研究課題/領域番号 |
22K09386
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
倉谷 麻衣 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (50758109)
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研究分担者 |
塚本 翔 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20707658)
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80245802)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 異所性石灰化 / 骨格筋 |
研究実績の概要 |
石灰化は、骨や歯など硬い組織の形成に必須の反応であるが、病的に腱や筋などの軟組織に石灰化が生じることがある。異所性に石灰化が生じる疾患として、強い外傷を受けた後に、異所性に石灰化が生じる石灰化筋壊死 (Calcific myonecrosis)が知られている。本研究では、石灰化筋壊死の病態を解明することを目的としている。2022年度は、異所性に硬組織を誘導する局所的な筋損傷方法の最適化と異所性硬組織が出現する時期の検討を行い、筋損傷後の異所性硬組織から核酸を抽出する方法を検討した。2023年度は、筋組織に異所性に骨を誘導するBMPを骨格筋に移植し、筋損傷誘導性の硬組織とBMP誘導性の骨組織を組織学的に比較解析した。事前検討から、筋損傷によって誘導される硬組織は、骨化ではなく石灰化である可能性が考えられていたが、最適化した条件で実験を実施しても、筋損傷誘導性の硬組織は、骨組織ではなく、軟組織にカルシウム塩が沈着している石灰化であると考えられた。本結果から、今回樹立した筋損傷誘導性の異所性硬組織は、石灰化筋壊死症を模倣している可能性があると考えられた。さらに、本年度は、硬組織を含む筋組織から高純度のRNAを抽出する方法を確立することができたため、当初の計画通り、最終年度に抽出したRNAを用いて、遺伝子発現解析を実施し、石灰化筋壊死の発症機序の解析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度に樹立したマウスモデルを用いて、異所性硬組織の組織化学解析を進め、高純度のRNAを抽出できた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、遺伝子発現解析を実施し、石灰化筋壊死の発症機序の解析を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品購入に計上していた物品費が予想よりも抑えられたため、次年度の消耗品や試薬の購入に充てる予定である。
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