研究課題/領域番号 |
22K09396
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
土屋 弘行 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (40227434)
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研究分担者 |
三輪 真嗣 金沢大学, 医学系, 助教 (40753455)
林 克洋 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (80507054)
五十嵐 健太郎 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任助教 (80622860)
山本 憲男 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任教授 (90332668)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 肉腫 / バイオマーカー / 微小環境 |
研究実績の概要 |
骨肉腫は,小児や若年者において最も頻度の高い原発性骨腫瘍の一つであり,高い頻度で肺などの遠隔臓器に転移を形成する.近年,腫瘍の転移や進展における小型細胞外小胞(small extracellular vesicles,以下SEV)の役割に注目が集まっている.これまでの我々の研究では,骨肉腫の局所増大や遠隔転移が小型細胞外小胞の分泌により促進され,miR-146a-5p発現の上昇を介した破骨細胞形成がみられた.さらに,転移能をもつ高悪性度腫瘍において,小胞体内のmiR-146a-5p以外にも12種類のmiRNAが6倍以上の発現を示した.しかし,これらの13種類のmiRNAが臨床において予後に与える影響については不明であった.本研究では,これらのmiRNAの予後や診断におけるバイオマーカーとしての有用性について検討した.化学療法と手術を受けた骨肉腫患者27例について,血清中のmiRNAの発現と患者の生存について調査した.さらに,診断におけるmiRNAの有用性評価のため,これらの患者と,他の骨腫瘍患者112例,健常者275例における血清中miRNA発現を比較した.血清miRNA(miR-146a-5p,miR-1260a,miR-487b-3p,miR-1260b,miR-4758-3p)が高い患者は低い患者に比べて生存率が高かった.特にmiR-1260a高値の患者では,低値の患者に比べて良好な全生存率,無転移生存率,無転移生存率,無病生存率がみられた.この結果から,血清miR-1260aは骨肉腫の予後予測マーカーとなる可能性が示唆された.さらに,良性または中間悪性の骨腫瘍と比べ,骨肉腫では血清中のmiR-1261が高値であり,良悪性の鑑別における有用性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画を予定通りに遂行できているため.
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今後の研究の推進方策 |
引き続き研究計画を遂行する.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた国際学会に参加せず、来年度に参加する予定としたため、次年度使用額が生じました。
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