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2022 年度 実施状況報告書

人工知能技術による野球肘検診支援システムの確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K09399
研究機関神戸大学

研究代表者

乾 淳幸  神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (70457092)

研究分担者 西本 華子  神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (30707154)
美舩 泰  神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (80608464)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード人工知能 / 野球肘検診 / エコー画像
研究実績の概要

少年期の投球障害の1つである野球肘の中でも、上腕骨外側に発生する軟骨障害である離断性骨軟骨炎(OCD)の早期発見を目指したシステムの開発に取り組んだ。OCDの検出は超音波画像診断装置(エコー)にて可能であることより、人工知能(AI)の技術を応用してエコー画像におけるOCD病変の発見を目指した。
画像に対するAI技術である、「画像分類」および「物体検出」のタスクを野球肘検診におけるエコー画像のOCDの検出に応用し、画像分類タスク用にはすべての撮像肢位データを1つにまとめて「OCDあり」「OCDなし」に2値分類を行った。物体検出タスクとしては正常関節面を含むstandard viewおよびOCD病変をアノテーションしYOLOv8にて学習を行った。分類タスクでは作成したモデルは軟骨下骨の途絶といった特徴をとらえており、分類タスク・物体検出タスクともに高い精度でOCD病変が検知可能であった。また、動作が高速であるYOLOv8nモデルを使用することにより、通常のPCであってもリアルタイムに病変の検出が可能であり、野球肘検診への応用が可能であると考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

画像処理を行うAIモデルはすでに開発が進み、2023年1月の発表された最新の画像処理モデルであるYOLOv8nモデルを使用したAIモデルの訓練を行った、本研究で作成したモデルが検出した部位と医師が行ったアノテーション部位を比較した検出精度は、mAP(50)が0.991、mAP(50-95)が0.784であり、高い精度で正確に検出することができた。通常のPCであってもリアルタイムに正常肘関節面および病変の検出が可能であり、検診現場での応用も始まっている。

今後の研究の推進方策

現時点ではすべてのエコー装置にAI搭載コンピュータを接続することはリソースの問題より困難である。今後はAIモデルを軽量化、一般化しpythonによる特殊な環境構築を必要としない一般的なコンピュータで動作可能にすることを現時点の目標としている。
また、エコー装置の違いや検査手順の違い等で今回作成したモデルが全国各地で行われている野球肘検診でも動作するとは限らない。そのため、各施設が所有している独自データを用いてYOLOモデルを訓練・実装する方法を検討してゆく。

次年度使用額が生じた理由

研究成果の発表や、システム開発のための次年度予算が限られているために、翌年度分として請求予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Degree of Accuracy With Which Deep Learning for Ultrasound Images Identifies Osteochondritis Dissecans of the Humeral Capitellum2023

    • 著者名/発表者名
      Shinohara Issei、Yoshikawa Tomoya、Inui Atsuyuki、Mifune Yutaka、Nishimoto Hanako、Mukohara Shintaro、Kato Tatsuo、Furukawa Takahiro、Tanaka Shuya、Kusunose Masaya、Hoshino Yuichi、Matsushita Takehiko、Kuroda Ryosuke
    • 雑誌名

      The American Journal of Sports Medicine

      巻: 51 ページ: 358~366

    • DOI

      10.1177/03635465221142280

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Assessment of the Ulnar Collateral Ligament of the Elbow Using Ultrasonic Shear Wave Elastography in Professional Baseball Players2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshikawa Tomoya、Inui Atsuyuki、Mifune Yutaka、Nishimoto Hanako、Yamaura Kohei、Mukohara Shintaro、Shinohara Issei、Hoshino Yuichi、Matsuishita Takehiko、Kuroda Ryosuke
    • 雑誌名

      Orthopaedic Journal of Sports Medicine

      巻: 10 ページ: -

    • DOI

      10.1177/23259671221138134

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] エコーと人工知能による手外科領域の診断支援2023

    • 著者名/発表者名
      乾 淳幸
    • 学会等名
      第44回九州手外科研究会
    • 招待講演
  • [学会発表] 小中学生野球選手におけるウェアラブルセンサを用いた投球肘ストレス相関因子の検討2023

    • 著者名/発表者名
      吉川智也
    • 学会等名
      第96回日本整形外科学会学術総会
  • [学会発表] Assessment of Medial Elbow Torque in Junior High School Baseball Pitchers Using Wearable Sensor2023

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Yoshikawa
    • 学会等名
      Annual Meeting of Orthopaedic Research Society
    • 国際学会
  • [学会発表] センシング・人工知能技術を活用した野球肘検診の取り組み2022

    • 著者名/発表者名
      乾 淳幸
    • 学会等名
      第33回日本臨床スポーツ医学会
  • [学会発表] 人工知能モデルを用いた上腕骨離断性骨軟骨炎のエコー画像への病変検出2022

    • 著者名/発表者名
      乾 淳幸
    • 学会等名
      第33回日本整形外科超音波学会

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公開日: 2023-12-25  

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