研究課題/領域番号 |
22K09408
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
塚本 翔 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20707658)
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研究分担者 |
倉谷 麻衣 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (50758109)
片桐 岳信 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80245802)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 骨格筋 / 筋肥大 / TGF-βファミリー / Myostatin |
研究実績の概要 |
骨格筋は、我々の身体を支え、関節を可動させるために必須の運動器であり、骨格筋の量は、運動機能に極めて重要な要素である。TGF-βファミリーのMyostatinは、骨格筋特異的に発現する成長因子で、ヒトを含む様々な脊椎動物でMyostatinの機能喪失による筋肥大が確認されている。Myostatinは、TGF-βファミリーの膜貫通型キナーゼ受容体に結合し細胞内シグナルを活性化する。本研究では、骨格筋量を調節するMyostatinの細胞膜上の受容体の解析を進め、標的遺伝子等を含めた分子機構を解明し、治療薬へ応用することを目指している。Myostatinは、膜貫通型キナーゼ受容体のALK4とALK5の両者の受容体に結合する可能性が示唆されているため、2022年度は、ALK4およびALK5のエクソン領域の一部を欠失させるガイドRNAを設計し、ALK4/ALK5のノックアウト (KO)細胞の樹立を行った。マウス筋芽細胞C2C12細胞に設計したガイドRNAとCas9タンパクをエレクトロポレーション法で導入後、限界希釈法で単一クローンを取得、ALK4とALK5の両者のエクソン領域の一部がホモで欠失しているクローン (ALK4/ALK5 double KO)を選抜した。ALK4/ALK5 double KO細胞は、親株のC2C12細胞に比較して、筋管形成が著しく亢進していることが判明した。さらに、ALK4/ALK5 double KOにALK4もしくはALK5を一過性に発現させると、多核の筋管形成が阻害されることが分かった。本結果から、骨格筋量の調節には、ALK4とALK5の両者が重要であることが示唆され、生細胞で高感度にALK4とALK5受容体の相互作用を解析できる実験系の樹立も進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ALK4/ALK5 double KO細胞を取得し、両受容体を介したシグナルが骨格筋量を調節している可能性が示唆された。よって、研究計画に沿って、受容体の解析を中心に進めていくことが可能となった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度の結果から、Myostatinによる骨格筋量の調節には、TGF-βファミリー受容体のALK4とALK5の両者が重要である可能性が示唆された。2023年度以降も、研究計画に基づき、ALK4/ALK5受容体を介したシグナル伝達機構の解析と細胞膜上での局在等について解析を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
ノックアウト細胞の樹立が順調に進み、一般試薬の購入費が予想よりも安価であったため。今年度の結果に基づき、来年度は、受容体の相互作用を解析が増加する見込みのため、検出試薬の購入費に充てる予定である。
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