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2022 年度 実施状況報告書

慢性期脊髄損傷に対する脂肪・骨髄由来Muse細胞による神経再生治療法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K09416
研究機関弘前大学

研究代表者

熊谷 玄太郎  弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (90529679)

研究分担者 石橋 恭之  弘前大学, 医学研究科, 教授 (80292142)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード脊髄損傷 / 慢性期 / Muse細胞 / 脂肪 / 骨髄
研究実績の概要

本研究では、Muse細胞の特性の違いを生かし、慢性期脊髄損傷モデルにグリア瘢痕除去を目的とした脂肪由来Muse細胞の損傷部への直接投与を行い、その後、損傷組織への遊走を目的とした骨髄由来Muse細胞を経静脈投与し、神経組織修復効果が得られるかを検証することが目的である。本年度は以下の成果を得た、In vitroで脂肪由来のMuse細胞と骨髄由来Muse細胞のポテンシャルを比較した。マイクロアレイ解析により、脂肪由来Muse細胞はグリア瘢痕形成抑制関連遺伝子であるNeurod4、BDNF、PTN、Midkine、NGF、FGF2が多く発現し、骨髄由来Muse細胞は遊走能関連遺伝子であるS1PR2、CXCR4がより多く発現する結果を得た(Nagaoki T, Kumagai G, Journal of Neurotrauma, 2023 Accepted)。In vivoで両者の細胞を損傷脊髄急性期に投与したところ、脂肪由来Muse細胞移植群は損傷脊髄の抗炎症作用を示すことが明らかとなった(Nagaoki T, Kumagai G, Journal of Neurotrauma, 2023 Accepted)。また脊髄損傷急性期の炎症のメカニズムの解析とその治療薬としてEtizaramの投与効果に関して解析し、Etizoramは抗炎症作用があることが明らかとなった(Saruta K, Kumagai G, Neyrotrauma Report 2023公表)。現在以下の検討を行っている、4週齢C57BL/6マウスの脳海馬から採取した神経組織からアストロサイトを培養し、培養皿上でScratch injuryを加えることで、グリア瘢痕のIn vitroモデルを作成する。その後、脂肪及び骨髄由来Muse細胞/Non-Muse細胞との共培養を行い、グリア瘢痕除去効果と遊走能を比較検証する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究1年目の計画では、In vitroモデルにおけるグリア瘢痕除去効果、遊走能の検証結果を得る予定であったが、実験は解析途中である。

今後の研究の推進方策

今後は採取源によるMuse細胞の特性の違いを生かし、慢性期脊髄損傷モデルを作成し、グリア瘢痕除去を目的とした脂肪由来Muse細胞の損傷部直接投与を行い、その後に損傷組織への遊走を目的とした骨髄由来Muse細胞を経静脈投与し、神経修復効果を検証する。

次年度使用額が生じた理由

本年度はIn vitro実験を主に行ったため、物品費が少額となった。次年度にはIn vivo実験を主に行う予定であり、マウス購入費用や抗体購入費用に計上される予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Intraperitoneal Administration of Etizolam Improves Locomotor Function in Mice After Spinal Cord Injury2023

    • 著者名/発表者名
      Saruta Kenya、Fukutoku Tatsuhiro、Kumagai Gentaro、Nagaoki Toshihide、Tsukuda Manami、Nitobe Yohshiro、Wada Kanichiro、Asari Toru、Fujita Taku、Sasaki Isamu、Nikaido Yoshikazu、Shimoyama Shuji、Ueno Shinya、Ishibashi Yasuyuki
    • 雑誌名

      Neurotrauma Reports

      巻: 4 ページ: 82~96

    • DOI

      10.1089/neur.2022.0071

  • [学会発表] 脊髄損傷後不安障害・神経障害性疼痛の克服に向けた試み2022

    • 著者名/発表者名
      熊谷 玄太郎、和田簡一郎、浅利享、新戸部陽士郎 藤田拓、福徳達宏、長沖隼英、猿田賢也、附田愛美 津田英一、石橋恭之
    • 学会等名
      第49回日本臨床バイオニクス学会

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公開日: 2023-12-25  

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