研究課題/領域番号 |
22K09435
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
池本 竜則 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (40448387)
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研究分担者 |
新井 健一 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (50380316)
大道 美香 金沢医科大学, 医学部, 講師 (30581079)
大道 裕介 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (50506673)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 変形性膝関節症 / 炎症 / 免疫調整 |
研究実績の概要 |
変形性関節症(OA)は軟骨変性が病態の首座であるが、自己免疫による炎症反応がその病態の一端であると捉えると、免疫調整薬の有用性が期待できる。これまでに我々はラット膝OA モデルにおいて、関節リウマチ(RA)のアンカードラッグであるメソトレキサート(MTX)投与による疼痛行動の悪化抑制を観察した。 当初の仮説では、MTXに加え、TNFα阻害剤の追加投与により、より関節炎症および破壊が抑制できると考えていたが、仮説どおりの結果は得られなかった。従って、今年度は、TNFα阻害剤の単独投与、IL-6阻害剤の単独投与を治療群に加えることで、OA予防効果の検証を行った。 12週齢/雄のWistar Ratを用いた.右膝関節内にmono-iodoacetate(MIA)3mg/50㎎を投与し膝OAモデルを作製。コントールはMIA投与後薬剤なしとして、MTX 3 mg/ml/kg 皮下注のMTX群と、TNFα阻害剤(エタネルセプト:ETN) 30mg/kg皮下注を行うETN群、IL-6阻害剤(トシリズマブ:TOC) 50mg/kg皮下注を行うTOC群の4群(各群n=6)とした。MIA 投与後3 日・1・2・3 週で薬剤投与を行い、1・2・3・4週時に疼痛行動と関節構造変化を評価した。 疼痛行動はDynamic Weight Bearingを使用し30秒間自由行動の後肢健患側の荷重比及び接地面積比を計測した。関節構造変化はmicro CTで膝関節表面の変化を解析した。結果、疼痛行動および、膝関節表面の変化に統計学的群間差は観察されなかった。本年度の研究でも、当初の仮説:膝OAモデルに対する免疫調整薬の有用性は検証されなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り順調に進んでいる
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今後の研究の推進方策 |
本研究では膝OAの性差について、疼痛行動及び関節変性の違いを検証する予定となっているため、今年度は雌ラットを用いた研究を行う。またこの2年間の実験結果を公表する準備を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
経費使用についても、概ね画通り順調に進んでいるが、昨年度購入予定の消耗品が、期限内に購入できなかったため今年度予算に連れ込みが生じた。
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