研究課題/領域番号 |
22K09452
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
吉野 裕史 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (90642611)
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研究分担者 |
榎田 英樹 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80347103)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | エクソソーム / 尿路上皮癌 |
研究実績の概要 |
現在、臨床的に感度・特異度ともに有用な尿路上皮癌(腎盂尿管癌および膀胱癌)の腫瘍マーカーは無く、患者は放射線被曝を伴うCT検査や侵襲の大きな尿管鏡検査や膀胱鏡検査が一般的に行われている。更に画像検査や内視鏡検査で腫瘍の存在を確認するにはある程度腫瘍が大きくならないと判断できないのが現状である。一方、最近になり細胞外小胞の一つであるエクソソームが細胞間コミュニケーションの担い手として注目されている。エクソソームの中には messenger RNA(mRNA)や microRNA(miRNA)といった核酸やタンパク質などが含まれ、癌においてはその分泌が増加し癌微小環境を構築することが明らかになりつつある。そこで本研究では、エクソソーム含有核酸を用いて尿路上皮癌に対する腫瘍マーカーとなる核酸を検出することを本研究の目的とした。 本研究には患者由来サンプルのスクリーニング解析がまず必要であるが、その解析が完了し、現在、候補遺伝子の選定中である。一方、臨床検体は50例から100例以上となり順調にバリデーション実験の環境が整いつつある。また、他癌種ではあるが、腎癌においてエクソソーム中miR-1が癌細胞株に対して腫瘍抑制的な機能を有することを報告した。更に、miR-1の標的遺伝子であるMYO15Aが健常者と比べて腎癌において発現が亢進していることを確認し、腫瘍マーカーとしての可能性を報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
血液中エクソソーム由来RNAによる次世代シークエンス解析が完了し、またエクソソームに関する研究の論文が採択されたためである。
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今後の研究の推進方策 |
血液中エクソソーム由来RNAによる次世代シークエンス解析結果を現在、解析中である。このスクリーニング結果を基に、既に保有している 100以上の尿路上皮癌患者由来の血液検体を用いて、候補核酸の中から最終候補を5つ程度に絞り込む予定である。
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