研究課題/領域番号 |
22K09460
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
西崎 直人 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (30561435)
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研究分担者 |
切替 照雄 順天堂大学, 医学部, 特任教授 (50192563)
渡辺 心 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (80220888)
岡崎 任晴 順天堂大学, 医学部, 教授 (30265988)
遠矢 真理 国立医薬品食品衛生研究所, 食品衛生管理部, 主任研究官 (20804694)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 夜尿症 / ウロマイクロバイオーム / 小児 / 尿路感染症 / 自律神経 / 心拍変動 |
研究実績の概要 |
小児の夜尿と細菌感染による慢性尿路感染症の関連を明らかにすることを目的として、前年度よりも夜尿症患者群、およびコントロール群ともに対象者数を増やし、検証した。 夜尿症患者群25例の尿検体、および夜尿のないコントロール群17例の尿検体について細菌特異的な16S rRNA V3-V4領域を増幅しNGSを用い、Propionimicrobium lymphophilumが夜尿症の原因となる微生物の候補として挙がった。 PT-PCRにより尿中P. lymphophilumの割合は夜尿症のある児に有意に高く、さらに重症夜尿症の患者ほど、検出率が高かった。 さらに同菌を選択培地を用いて同定することに成功し抗菌薬感受性も検証できた。 同菌の自律神経系に与える影響を調査するために、夜尿症患者群およびコントロール群に対し、ウエアラブル心電計で睡眠中の交感神経・副交感神経バランスを反映する心拍変動のモニタリングを試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
夜尿症の成因は、尿中P. lymphophilumによる尿路感染症であることRT-PCRによる診断によって示した。同菌を培養し、抗菌薬感受性も確認できた。しかし、抗菌薬治療によって夜尿が改善するかどうかの介入臨床試験の遂行までは達成できていない。
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今後の研究の推進方策 |
夜尿症患者群の尿中からPropionimicrobium属が高率に検出されている。 同菌の存在によって生じる「膀胱ー脳連関」の作用により、夜尿症患者群では「尿意覚醒が出来ない」という神経学的な作用がもたらす影響を探求する必要性がある。 夜尿症患者群とコントロール群の両群にウエアラブル心拍計を装着し、就寝中の自律神経バランスがどのようになっていて、覚醒困難を生じさせているのかの検証を引き続き行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
成果の再検証に時間を要し、学会発表や論文化までに至らなかったため、旅費や出版に係る経費が想定よりも発生しなかったため。現在、査読のある英文学術雑誌への投稿準備を進めており、オープンアクセスジャーナルの場合には掲載料が発生するため、その支払いを計画している。
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