研究課題/領域番号 |
22K09468
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河野 仁 京都大学, 医学研究科, 助教 (10880015)
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研究分担者 |
澤田 篤郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (10784796)
後藤 崇之 京都大学, 医学研究科, 講師 (90806605)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | シクロホスファミド / ノビレチン / コネキシン43 / 尿路上皮 |
研究実績の概要 |
間質性膀胱炎、薬剤性膀胱炎などの炎症性膀胱疾患は、従来の抗炎症薬を中心とする対症療法では改善しない症例も多く、炎症性膀胱疾患の病態発症機序および新たな予防・治療法の解明が望まれている。また、近年、ポリメトキシフラボノイド(PMF)という、抗酸化・抗炎症・糖代謝・脂質代謝改善効果など多数の生理活性を持つ天然物に着目が集まっている。我々は代表的なPMFであるフラボノイドノビレチン(NOB)の抗炎症作用を検証し、尿路上皮に発現するCx43の変化との関連を評価した。 本年度はまず膀胱炎症モデルとして代表的なシクロホスファミド(CYP)マウスを用いて排尿行動解析を行い、NOB混和物(PMF90)の前投与によりCYPマウスの蓄尿症状が改善されることを確認した。CYPマウス膀胱は、粘膜下層浮腫及び出血といった膀胱炎症所見が抑制されていた。尿路上皮ではCx43タンパク、Nlrp3遺伝子の発現抑制が認められた。ヒト不死化尿路上皮細胞(TRT-HU1)に対して、炎症性サイトカイン IL-1β で 刺激すると、Cx43 の mRNA とタンパク質の発現が上昇し、ギャップ結合機能が亢進されたが、NOB で前処理するとこの反応は抑制されることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
急性膀胱炎モデルであるシクロホスファミド誘発性モデルでは尿路上皮Cx43と排尿症状の関連性を示唆する結果を得られ、細胞レベルでも同様の結果であった。
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今後の研究の推進方策 |
尿路上皮特異的なKOマウスの作成。モデルマウスとしてBCG膀胱内注入モデルおよび自己免疫性慢性膀胱炎モデル化。間質性膀胱炎患者に対するフラボノイド系化合物の効果を臨床試験にて評価を行う。
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