研究課題/領域番号 |
22K09475
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
白石 晃司 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00535255)
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研究分担者 |
原田 哲仁 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (60596823)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 精子形成 / トランスクリプトーム解析 / プロミニンー1 |
研究実績の概要 |
無精子症治療としての顕微鏡下精巣内精子採取術時の余剰な精巣組織を用いて、我々が考案した、morphology-based selection of germ cellsにて精祖細胞の回収を行った。このサンプルを用いたトランスクリプトーム解析(単一細胞種トランスクリプトーム解析)を実施している。 Gene ontology解析などにより、無精子症を来す精祖細胞は遺伝子発現パターンにて以下の4つのクラスターに分類することができた。1)DNA合成低下型、2)ホルモン受容体低下型、3)ストレス反応低下型、4)体細胞型。それぞれのクラスターには特徴的な臨床的背景が存在するため、このクラスター分類の妥当性がある程度担保されていると考えている。症例数の蓄積によりこのクラスター分類と臨床的背景についてのvalidationを行う必要がある。 精索静脈瘤を伴った無精子症症例の解析においては、1)DNA合成低下型および3)ストレス反応低下型に分類されることが多く、1)の場合は精索静脈結紮術により、高率に射出精子が出現することが判明した。これらは精索静脈瘤により生じた無精子症という病態であり、varicocele-associated azoospermia (VAA)という病態を提唱した。 一方で、上記の網羅的解析の際に注目すべき分子が見出された場合には、その分子に特化した解析も追加している。Prominin-1の発現低下が無精子症で顕著であることが判明し、当大学にProminin-1ノックアウトマウスが利用可能であったことから(眼科学講座、木村教授のグループ)、Prominin-1の精子形成における役割について解析を行った。従来鞭毛機能の制御を行っている蛋白であるが、精祖細胞にも発現し、その低下によりgerm cellのアポトーシスが促進され、造精機能障害が生じることを報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
トランスクリプトーム解析については費用面において、今回の研究費でのカバーが難しい状況となっている。特定の遺伝子・分子に着目した機能解析を同時に行う実験計画であるため、そのような実験を遂行している。
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今後の研究の推進方策 |
次回の獲得研究費にてトランスクリプトーム解析とタンパク質の局在も含めたオミックス解析を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度にトランスクリプトーム解析の症例数を蓄積する予定であったが、キット等が値上がりにて高額となったため、2024年度の研究費と合わせて実施予定である。
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