研究課題/領域番号 |
22K09483
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
金尾 健人 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (20327620)
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研究分担者 |
鈴木 進 愛知医科大学, 加齢医科学研究所, 准教授 (70518422)
都築 豊徳 愛知医科大学, 医学部, 教授 (70627645)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 腎癌 / 制御性T細胞 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
近年、転移進行腎癌の一次治療にニボルマブとイピリムマブの併用療法が使用されているが、その治療効果は十分でない。さらに本年、ペンブロリズマブとアキシチニブ、アベルマブとアキシチニブの併用療法が使用可能となったものの、治療選択の指標となるバイオマーカーは存在しない。最近の研究ではPD-1/PD-L1阻害薬に対する治療抵抗性の克服には、腫瘍浸潤Tregを除去することが重要であることが示唆されていることから、ニボルマブと腫瘍浸潤Tregを除去する効果が期待されるイピリムマブの併用療法の治療効果に、腫瘍浸潤Tregがどのように関連しているかを調べることが極めて重要であると考えられる。 本研究では、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法を施行した転移進行腎癌患者の臨床検体を用い、腫瘍や末梢血におけるTregの量やphenotype、他の免疫細胞や関連分子と予後との関連を調べることにより、転移進行腎癌の一次治療選択に有用なバイオマーカーを探索する。本年度は前年度に引き続き、転移進行腎癌組織中におけるTregや他の免疫細胞、関連分子を定量する目的で、転移性進行腎癌の初期治療に腎摘除術を施行しその後ニボルマブ・イピリムマブ併用療法を行った12例を選択し、治療効果(奏効率、全生存率)を調査した。次いで治療効果とTregのマスター転写因子であるFOXP3+細胞上及び、CD8+T細胞上に発現する免疫チェックポイント分子 (ICM/ CTLA-4, PD-1, TIGIT, ICOS, GITR) や、その他機能分子(ケモカインレセプター、代謝酵素)の関連ををPerkinElmer社のVectra3を用いた多重免疫蛍光染色により解析するための準備をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は転移性進行腎癌の初期治療に腎摘除術を施行した30例を対象とし、多重免疫蛍光染色により解析するため、ホルマリン固定パラフィン包埋標本の確保を行った。解析は分担研究者の施設(愛知医科大学)で行うため、当施設から研究協力者を派遣して解析を協力して行う方針とした。しかし本年度は研究協力者のスケジュールの都合がつかず、解析は来年度に持ち越しとなった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年4月から代表研究者の所属が藤田医科大学に変更になったため、研究計画の大幅な見直しを行った。解析を行う分担研究者の施設(愛知医科大学)は藤田医科大学に近いため、今後は藤田医科大学において研究協力者を確保し、解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度実際に多重免疫染色を施行する予定であったが、次年度に持ち越しとなったため差額が生じた。繰り越した額を使用して多重免疫染色を行う予定である。
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