研究課題
過去の解析を顧みて、2023年度では本研究のメインテーマである残尿量と膀胱癌の膀胱内再発の関連につきBCG膀胱内治療別に検討した。BCG膀胱内注入療法は膀胱内再発において重要な予防因子になる。施行の有無により膀胱内再発イベントが変わってくる。そのため残尿量と膀胱内再発を考える上でわけて考える必要がある。対象をBCG膀胱内注入療法が本来ガイドラインで推奨される高リスク以上のみとした。その中で何らかの理由でBCG膀胱内注入療法を施行しなかった群とした群で残尿量と膀胱内再発を解析した。結果はBCG膀胱内注入療法施行群は残尿量(今回は0-50ml、50-100ml、100ml以上)にわけて有意な差は認めなかった。一方でBCG膀胱内注入療法を施行しなかった群においては100ml以上の残尿群が有意差はないものの膀胱内再発を起こしやすかった。すなわち過度な残尿量をもつ症例では膀胱内再発は起こりやすく、BCG膀胱内注入療法はその残尿のリスクを凌駕する予防治療となりうることがわかった。残尿と関連のある膿尿の関係につき昨年学術誌に報告した。BCG非施行群の膿尿をもつ群は有意に膀胱内再発が多い結果であった。このことからも多様な状況を含む非筋層浸潤性膀胱癌治療における膀胱内再発のリスク因子として過度な残尿と膿尿があることはリスクとなり、BCG膀胱内注入でそのリスクを下げる可能性が示唆された。本結果につき2023年度に学会発表をした。またその内容を現在英文誌に投稿中である。
2: おおむね順調に進展している
症例数を蓄積したデータで詳細な検討をすすめ公表している。またその結果が当初予測した通りの結果である。
2023年度までの結果を英文誌に受理されるように推し進める。また自施設での症例数をさらに蓄積すると同時に、本邦での大規模な前向き研究でのサブ解析として検証することを提案している。そこで妥当性が証明されればより信頼度の高い結果として公表可能である。
ほぼ予定通りの使用がされている。当初予定通りの使用をしていく。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
International Journal of Urology
巻: - ページ: -
10.1111/iju.15398
Sci Rep.
巻: 13 ページ: -
Anticancer Research
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