研究課題/領域番号 |
22K09502
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
本田 正史 鳥取大学, 医学部, 准教授 (20362890)
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研究分担者 |
武中 篤 鳥取大学, 医学部, 教授 (50368669)
引田 克弥 鳥取大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (50403407)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 排尿機能 / 薬理学 / 生理学 / ドラッグデリバリーシステム / 膀胱内注入 |
研究実績の概要 |
本研究は、膜融合性リポソームを用いた標的化ドラッグデリバリーシステムによる小コンダクタンスカルシウム活性化カリウムチャネル(small-conductance K+ channel: SKチャネル)開口薬膀胱内注入の有効性を包括的に明らかにし、下部尿路機能障害に対するSKチャネル開口薬膀胱内注入を臨床応用レベルまで展開するための研究基盤を確立することが目的である。 令和4年(2022年)度は、薬剤膀胱内注入による膀胱内圧測定がスムーズに実施可能な安定した実験系を確立するため、今までに予備実験が終了している基礎研究の追加を行った。具体的にはCyclophosphamide(CYP)により誘発される排尿筋過活動に対するrSNSR1 agonistの膀胱内注入の効果を検討した。雌Sprague-Dawley(SD)ラットを使用し、CYP投与48時間後にウレタン麻酔下に連続膀胱内圧測定を施行した。rSNSR1 agonistである、BAM8-22(300, 1000, 3000nM)を膀胱内に持続注入した。BAM8-22の膀胱内注入はCYP誘発膀胱炎ラットモデルの排尿間隔および排尿閾値圧を容量依存的に増加させた。 また、本研究で用いる膜融合性SKチャネル(small-conductance K+ channel)開口薬リポソームを安定して作製するための手順の確認を行い、rSNSR1 agonistの場合と同様に、膀胱内への注入速度の調整と、注入溶液の至適濃度に関する予備実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
SKチャネル(small-conductance K+ channel)開口薬のラット下部尿路機能への影響を調べるため、令和4年(2022年)度は測定方法(膀胱内圧測定)に関する実験系の確立を進めた。その過程で今後の研究を遂行する上で必要となる実験系の確立を行うことができ、またいくつかの新たな知見を得た。そのため、おおむね順調に研究は進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年(2023年)度は、令和4年(2022年)度の研究成果を踏まえ、SKチャネル(small-conductance K+ channel)開口薬のラット正常下部尿路機能に与える影響を調べる。具体的には、 ①SKチャネル開口薬膀胱内注入のウレタン麻酔下連続膀胱内圧測定各パラメーターに対する効果、②SKチャネル開口薬を用いた膀胱組織切片の等尺性張力実験、③膀胱でのSKチャネルサブタイプ発現量の解析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
消耗品として購入を予定していた試薬、ガラス・プラスチック容器などは既に購入していた物品で実験を遂行することが可能であったため購入を差し控えた。購入を予定していた微流速シリンジポンプについて、既存の機種でも十分に対応可能であることが判明したため購入を差し控えた。これらの理由により次年度使用額が生じた。 令和5年(2022年)度以降の経費の主要な用途は消耗品であり、実験動物、試薬、ガラス・プラスチック容器を購入する計画である。また、学会で研究成果を公表し情報交換するために必要な出張経費、および国際学術誌での論文発表の際の諸経費として使用する予定である。
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