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2022 年度 実施状況報告書

ヒト化マウスを用いた腎細胞癌PDXモデルの樹立とMET阻害薬効果予測因子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 22K09506
研究機関宮崎大学

研究代表者

向井 尚一郎  宮崎大学, 医学部, 准教授 (10315369)

研究分担者 賀本 敏行  宮崎大学, 医学部, 教授 (00281098)
藤井 将人  宮崎大学, 医学部, 助教 (10794373)
秋岡 貴弘  宮崎大学, 医学部, 医員 (60816940)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードPDXモデル / MET / HGF / HAI / ヘプシン
研究実績の概要

本研究では、手術により得られた泌尿器癌の切除検体を用いたpatient-derived xenograft (PDX)モデルを作成し、MET阻害薬ならびにHGF活性化阻害薬の効果をより正確に判定できる検証実験系の確立を目指す。1年間に7例の腎癌組織採取し、マウス皮下に移植したが、1例も生着しなかった。しかしながら、1例の去勢抵抗性前立腺癌組織が生着したため、継代し、PDX(CRPCM:仮)を樹立することができた。HGF関連分子について発現解析(RT-PCR)を行ったところ、MET、HAI-1、HAI-2は発現が確認され、HGF活性化酵素であるヘプシンが高発現していた。HGFの発現はみられなかった。またアンドロゲンレセプターやPSAの発現はダウンレギュレーションされていた。蛋白レベルの発現も同様であった。樹立したCRPCMを、ヒト線維芽細胞と共にマウスの皮下に移植したところ、線維芽細胞なしの群と比較して有意に増殖速度が速く、組織中のMETのリン酸化が亢進していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

目的である腎癌PDXモデルの作製が遅延している。原発巣の組織採取の機会を増やすとともに、検体の対象を転移巣や生検組織まで含め、引き続き樹立を試みていく方針である。また、原発巣摘除時には、腎血管の阻血から摘出までの時間が短い症例について、より積極的に採取していけるようシステムのブラッシュアップを行った。

今後の研究の推進方策

PDX樹立後は以下の解析を進めていく予定である。1)樹立したPDXの腫瘍組織からRNAを抽出し、RNA sequence法によりに遺伝子発現の網羅的解析を行う。また、腫瘍組織における免疫染色により、METのリン酸化の有無を確認し、METリン酸化と相関する遺伝子発現パターンを解析する。2)MET阻害薬の治療効果を検証する。樹立したPDXにMET阻害薬を投与し、治療効果を評価する。腫瘍サイズの変化に加え、壊死や浸潤の状況など病理学的診断も行う。また、治療後の腫瘍組織中の発現分子の変化も実験2と同様に解析する。3)骨、脳転移モデルの作製と治療効果の検証。樹立したPDXの腫瘍組織を細切し、ホモジナイズした後に、骨や脳に移植して転移モデルを作製する。各転移部位の腫瘍を採取し、各遺伝子発現に差があるかどうかを評価する。転移部位によるMET阻害薬の治療効果の差を評価し、さらにHAIによるHGF活性化阻害を行うことで治療効果が高まるかを検証する。

次年度使用額が生じた理由

当初の予想よりPDXの適応となる腎癌症例数が少なかった。また、腎癌の生着を認めなかったため、その次に計画する実験に進めなかったので残額が生じた。次年度はモデル作成に向けて、組織採取機会を増やす工夫(関わる人員を調整し、対象を転移巣や生検組織まで含める等)して樹立を目指していく予定である。

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公開日: 2023-12-25  

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