• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2022 年度 実施状況報告書

エクソソーム解析による治療抵抗性腎癌の新規治療戦略と治療効果予測マーカーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22K09507
研究機関鹿児島大学

研究代表者

鑪野 秀一  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 准教授 (30624655)

研究分担者 坂口 大  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (70779008)
榎田 英樹  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80347103)
吉野 裕史  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 講師 (90642611)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードエクソソーム / 腎細胞癌 / microRNA-1 / MYO15A
研究実績の概要

今年度は、エクソソームmiR-1の機能と、エクソソームがRCCにおける腫瘍メーカーを構成する可能性について検討した。まず、スピンカラムを用いた方法により、細胞溶解液とヒト血清からエクソソームを回収する方法を確立した。次に、Nanosightのナノ粒子追跡解析とエクソソームマーカーCD63を用いたウェスタンブロット解析により、エクソソームを評価した。その結果、PKH26で標識したエクソソームがレシピエント細胞と融合することを確認した。さらに、miR-1を導入した細胞由来のエクソソームで処理したRCC細胞では、miR-1の発現が上昇した。機能解析の結果、エクソソームmiR-1はコントロールと比較して、細胞の増殖、移動、浸潤を有意に抑制することが示された。また、RCCに関するTCGAデータベースを用いた解析では、臨床RCCサンプルでは正常腎臓サンプルと比較してmiR-1発現が有意に低下しており、miR-1発現が低い患者は高い患者と比較して全生存期間が短いことが示された。さらにRNAシーケンス解析により、エクソソームmiR-1への曝露により、いくつかの遺伝子の発現レベルが変化することが示された。TCGAデータベースを用いた解析では、RCCにおいてMYO15Aの高発現群ではより悪い転帰と関連することが示された。また臨床患者の血清から採取したエクソソームのRT-qPCR解析により、MYO15Aは健常対照と比較してRCC患者で有意に発現が上昇することが示された。この研究により、エクソソームmiR-1による治療がRCCの治療に有効なアプローチとなる可能性が示された。また、エクソソームMYO15AはRCCの診断用腫瘍マーカーとなる可能性も示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

予定通りに実験を行い、論文化している。

今後の研究の推進方策

さらに、他のエクソソーム関連マイクロRNAについて研究を進める予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Exosomal microRNA-1 and MYO15A as a target for therapy and diagnosis in renal cell carcinoma.2022

    • 著者名/発表者名
      Yoshino H, Tatarano S, Tamai M, Tsuruda M, Iizasa S, Arima J, Kawakami I, Fukumoto W, Kawahara I, Li G, Sakaguchi T, Inoguchi S, Yamada Y, Enokida H.
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun.

      巻: 630 ページ: 71-76

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2022.09.056.

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2023-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi