研究課題/領域番号 |
22K09519
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
吉良 聡 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (10530115)
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研究分担者 |
澤田 智史 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (70402055)
三井 貴彦 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90421966)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 泌尿器 / 過活動膀胱 |
研究実績の概要 |
過活動膀胱は、『尿意切迫感を必須症状とし、夜間頻尿と頻尿を伴う症状症候群』と定義され、本邦においては高齢化により患者数は急激に増加している。治療薬は抗コリン薬とβ3受容体作動薬が主に用いられるが、有効性や副作用の点から必ずしも満足のいくものではなく、難治性となる場合も珍しくない。 難治性過活動膀胱に対しては、侵襲的治療(ボツリヌス毒素膀胱内注入療法、仙骨神経刺激療法)しか選択肢がない上、全ての難治性過活動膀胱の方に適応できないことも問題となっている。 難治性過活動膀胱の発症メカニズムの一因に、尿路上皮を介した尿意知覚・情報伝達機構の異常(Hypersensitivity)が想定されおり、我々は尿路上皮を介した尿意(情報)伝達経路の異常に対し、メタボロミクス解析を用いて尿中情報伝達物質を網羅的に探索し、同時に尿中膀胱上皮細胞上に発現する物質関連受容体を探索することで、難治性過活動膀胱に対する新たな診断・治療標的/バイオマーカーを探求したいと考えている。 そのため、本研究では難治性過活動膀胱の方と対照となるコントロールの方に協力をお願いして、採血と採尿により検体を採取する必要がある。 現在、難治性過活動膀胱の症例登録および検体採集中であるが、難治性過活動膀胱の定義は12週以上行動・薬物療法を行った上で、過活動膀胱症状の改善の無い方と定義されていることから、登録にある程度時間がかかると想定しているため、本年度も引き続き本年度も継続していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、難治性過活動膀胱の症例登録及び検体採集中である。データの蓄積が、緩徐であるため、近隣の泌尿器科施設にも呼びかけを行い、患者登録を積み重ねていくようにしていく。
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今後の研究の推進方策 |
今後は近隣の泌尿器科施設にも、本研究に関して説明し、症例登録を行う予定である。症例が想定通りに集まらない場合は、過活動膀胱のみならず難治性の下部尿路障害の方に対象を広げて集積していく。患者登録が進むにつれ、研究費を使用し、得られた検体は順次解析を行い、データ蓄積していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
サンプル収集速度が緩徐であることが、主な原因であると考えている。今年度も引き続きサンプル収集を行い解析を進めていく。
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