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2022 年度 実施状況報告書

加齢により生じる精原細胞エピゲノム変化の時空間的制御

研究課題

研究課題/領域番号 22K09522
研究機関京都大学

研究代表者

木村 龍一  京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00781759)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード空間トランスクリプトーム / 精原細胞
研究実績の概要

近年、精子のエピゲノム情報が受精後の子孫の発生や発育に影響することが明らかにされ、これが精原細胞と呼ばれる精子形成のごく初期段階において生じることが示唆されている。なぜこのようなエピゲノム変化が生じるか十分に理解されていないが、申請者はこれまでの研究から、精巣内のニッチに生じる加齢変化の影響が精原細胞のエピゲノム変化を引き起こす可能性を見出した。この仮説を検証するために、本研究では申請者らが開発した光単離化学法を基盤として、組織の特定の場所に位置する細胞のみから遺伝子発現情報やエピゲノム情報を取り出す新たな空間オミクス技術を確立する。これは光開裂型ブロッカーを付与したオリゴDNAを活用することで、光照射した領域のみからシーケンスライブラリーの増幅を可能とする原理に基づく。この技術を用いて加齢による精原細胞の性質変化を比較解析し、そこに精巣内での位置情報を加味することで、加齢により精原細胞で多様なエピゲノム変化が生じる分子基盤を解き明かす。本年度は精巣切片の特定の場所から遺伝子発現情報を取得するための実験条件を確立するために、マウス成体脳を題材としたベンチマークテストを行った。
まずマウス成体脳の新鮮凍結切片を作製し、組織中のRNAをその場で逆転写した。その後、切片の核染色をおこない、解剖学的に同定した海馬のCA1, CA3, 歯状回にそれぞれUV光を照射した。照射後に切片を溶解してcDNAを抽出し、合成したライブラリのシーケンスをおこなった。得られたシーケンスデータを解析したところ、CA1・CA3・歯状回の3群比較で有意に発現変動している遺伝子が検出され、in situ hybridizationによる発現パターンと一致することを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

光単離化学を用いて成体脳の海馬から領域特異的な遺伝子発現情報を取得できたため。

今後の研究の推進方策

今後は精巣切片から領域特異的な遺伝子発現情報が得られるような前処理条件を検討する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Photo-isolation chemistry for high-resolution and deep spatial transcriptome with mouse tissue sections2022

    • 著者名/発表者名
      Honda Mizuki、Kimura Ryuichi、Harada Akihito、Maehara Kazumitsu、Tanaka Kaori、Ohkawa Yasuyuki、Oki Shinya
    • 雑誌名

      STAR Protocols

      巻: 3 ページ: 101346~101346

    • DOI

      10.1016/j.xpro.2022.101346

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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