研究課題/領域番号 |
22K09570
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中村 仁美 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80467571)
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研究分担者 |
玉井 克人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (20236730)
冨松 拓治 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教授 (30346209)
遠藤 誠之 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30644794)
味村 和哉 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (50437422)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 不妊症 / 着床 / 子宮内膜 |
研究実績の概要 |
不妊症は世界共通の問題であり、約8-12%が不妊症に悩んでいるといわれている。体外受精-胚移植術を中心とした生殖補助医療は現在までに世界中で治療の選択肢の1つとして施行されている。年間総出生児数に対する、この治療によって生まれた児の割合は、ヨーロッパ全体では平均約3.5%(0.1-9.3%と国によりばらつきが大きい)、米国では約2%、日本は約7%と、社会からの需要は高い。現在の不妊治療の治療効率を向上するためには現在ブラックボックスである受け入れ側の子宮の着床能を前方視的に評価しその周期ごとの治療方針に反映させなければならない。原因不明不妊症として、生殖補助医療治療を受けて妊娠に至ったカップルの約17%は次の児を自然妊娠、生殖補助医療治療を繰り返しても妊娠に至らなかったカップルの約24%は自然妊娠しているという報告がある。つまり、子宮の着床能は毎月経周期同じではなく、多くの女性は子宮が着床の準備ができる月経周期とそうではない月経周期があるのではないかと考えるに至った。これまでの我々の研究において、ヒトでは排卵期前に子宮内膜の電気生理学的パラメータXを測定する事でその周期の子宮内膜の受容能が前方視的に評価できる事を明らかにした。このシステムの物質的基盤さらに治療への応用をめざし検討を行う上で、ヒトにおける特徴である、月経により子宮内膜の再生に着目するに至った。glycocalyxの硫酸基およびシアル産基修飾に着目してマウスモデルにおいて子宮内膜の再生機構について検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りの研究進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
Glycocalyxの評価については、マンチェスター大学産婦人科のAplin教授と、子宮内膜再生の基礎実験モデルに関しては玉井教授と引き続き連携して検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
納品が年度末に間に合わなかったため、次年度に繰越発注することとした。
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