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2023 年度 実施状況報告書

卵巣局所の慢性炎症を制御する:子宮内膜症とPCOSにおける卵胞発育障害の機構解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K09592
研究機関福井大学

研究代表者

折坂 誠  福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (80324143)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード不妊症 / 子宮内膜症 / 排卵障害 / 慢性炎症
研究実績の概要

子宮内膜症と多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は若年女性に発症し、その慢性経過を通じて、長期的に卵巣機能を障害し続ける。子宮内膜症とPCOSに共通する病態は、全身および卵巣局所の慢性炎症(low-grade chronic inflammation)状態である。卵巣局所のlow-grade chronic inflammationが卵巣機能に悪影響を及ぼす可能性について、直接的な因果関係や詳細なメカニズムは未だ明らかでない。
本研究では、子宮内膜症やPCOSの卵巣環境が、卵巣局所でlow-grade chronic inflammationと酸化ストレスを誘導し、それらが卵胞発育や卵子成熟に悪影響を及ぼす可能性について検討する。
2023年度は、前年度に構築したラット卵胞の3次元培養モデルに、子宮内膜症の卵巣病変であるチョコレート嚢胞の内容液(Endometrioma fluids, EF)を添加すると、卵胞の発育が阻害されることを明らかにした。 より詳細に観察すると、EF添加によって、卵子を取り囲む顆粒膜細胞層の増殖が抑制される一方で、卵胞の最外層に位置する莢膜細胞層が増殖肥厚していた。肥厚した莢膜細胞層は、生物学的機能を失った状態で、線維化が進行しており、卵胞の外方への発育を阻害していた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

卵巣チョコレート嚢胞に近接する卵胞で、発育および排卵のプロセスが障害される生体現象を、in vitroで再現する実験モデルを確立した。

今後の研究の推進方策

我々の実験モデルでEFが卵胞発育を阻害する現象について、その分子学的メカニズムを解明し、論文発表する方針である。

次年度使用額が生じた理由

我々が見出したEFが卵胞発育を阻害する現象について、その分子学的メカニズムを解明するために必要な、幾つかの解析キットをまとめて購入する目的で、次年度に21,741円を繰り越した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Chronic low-grade inflammation and ovarian dysfunction in women with polycystic ovarian syndrome, endometriosis, and aging2023

    • 著者名/発表者名
      Orisaka Makoto、Mizutani Tetsuya、Miyazaki Yumiko、Shirafuji Aya、Tamamura Chiyo、Fujita Masayuki、Tsuyoshi Hideaki、Yoshida Yoshio
    • 雑誌名

      Frontiers in Endocrinology

      巻: 14 ページ: -

    • DOI

      10.3389/fendo.2023.1324429

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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