研究課題/領域番号 |
22K09595
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
戸田 有朱香 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (00884610)
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研究分担者 |
澤田 健二郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00452392)
中村 幸司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00900151)
木瀬 康人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90778531)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | Preeclampsia(PE) / 尿中エクソソーム / 早期診断バイオマーカー / PE関連分子 |
研究実績の概要 |
本研究は、妊娠初期に将来の妊娠高血圧腎症 Preeclampsia(PE)発症を予測できるバイオマーカーを同定することを目的とする。妊婦の尿検体を用いて、細胞外小胞であるエクソソームが伝達するPE関連分子を同定する。2022年4月から12月にかけて、当院においてPEと診断され、分娩誘発を予定された妊婦の分娩前の尿を凍結保存した。重症PE症例(収縮期血圧 160以上または拡張期血圧110以上、蛋白尿、臓器障害(血小板減少、肝機能障害、投薬にて改善しない右季肋部痛、心窩部痛、腎機能障害、肺水腫、新規発症の投薬にて改善しない頭痛、視野障害)を認める)3例と妊娠週数をマッチさせた正常妊娠症例3例の尿からエクソソームを抽出した。Exo Urine EV Isolation Kit(サイズ排除クロマトグラフィー法、System Biosciences, LLC)を用いて尿中エクソソームを分離同定し、エクソソームのマーカーであるCD63, CD81, CD9の発現および胎盤由来マーカーであるPLAPの発現をwestern blot法で確認し、胎盤由来のエクソソームであることの確認を行った。Nanoparticle Tracking Analysis(NTA)を用いてエクソソームの粒度分布プロファイルと濃度を測定し、エクソソームは30-150nmのサイズにあることを確認した。分離同定したエクソソームにおけるサイトカインなどの発現量の違いをRayBio Label-Based Antibody Array(L-Series)を用いて、網羅的に解析し、PE由来のエクソソームに特異的に発現する分子(PE関連分子)を正常妊娠症例と比較している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
尿からエクソソームを分離同定するためにExo Urine EV Isolation Kit(サイズ排除クロマトグラフィー法、System Biosciences, LLC)を使用したが、エクソソームのマーカーであるCD63, CD81, CD9の発現をwestern blot法で確認することが最初困難であった。尿中エクソソームの分離同定法として超遠心法を試していた。また、PE発症妊婦の尿検体を適切な症例数集めることに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
すべての実験系が妊婦の尿検体から分離同定されるエクソソームを使用することから、重症PE症例を多く拾い上げる必要がある。そのために、関連病院の周産期医療センターとの共同研究に発展させることを検討中である。加えて、妊娠週数を34週未満に限定せず、22週以降で重症PEを発症した症例の尿検体を広く使用する。 分離同定したエクソソームにおけるサイトカインなどの発現量の違いをRayBio Label-Based Antibody Array(L-Series)を用いて、網羅的に解析し、PE由来のエクソソームに特異的に発現する分子(PE関連分子)を正常妊娠症例と比較し同定する。PE関連分子の発現について、所有するその他の尿検体を用いてwestern blot法、ELISA法で確認する。 PE既往妊婦、あるいは高血圧合併妊婦などPEのハイリスク症例5例、正常妊娠症例5例について、妊娠12週、20週、28週前後の尿中エクソソームの発現量ならびにエクソソーム中の PE関連分子の発現量を評価し、PE関連分子発現量/エクソソーム粒子数の比の経時的変化を測定する。さらにPEハイリスク妊婦の周産期転帰を解析し、PE関連分子とPEの発症に関連があったかの検証を行う。
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