• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

MED12野生型の子宮筋腫に対する新規治療戦略の確立

研究課題

研究課題/領域番号 22K09599
研究機関横浜市立大学

研究代表者

浅野 涼子  横浜市立大学, 附属市民総合医療センター, 講師 (70806471)

研究分担者 宮城 洋平  地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所, 所長 (00254194)
佐藤 美紀子  日本大学, 医学部, 准教授 (70326049)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード子宮筋腫 / MED12 / CDK8
研究実績の概要

子宮筋腫は多くの女性が罹患する良性腫瘍であり, 痛みや出血, 不妊症状により女性の労働生産性や日常生活の活動に大きな影響を及ぼしている. 子宮筋腫はMED12野生型(以下MED12WT)とMED12変異型(以下, MED12MUT)に大きく分類することができ, 従来これらは病理学的・臨床的において同一の疾患と判断されてきた. しかし, 発生原因が異なるため増大機序に差があると考えられ, MED12WTの方が巨大化しやすい. 我々はMED12WTの子宮筋腫をターゲットにした子宮筋腫増大機構の解明および治療法の確立を目的にしている.
まずは子宮筋腫の凍結組織検体を用いて共免疫沈降を行い,RNAポリメラーゼⅡC末端ドメイン(CTD)を基質として、抗MED12抗体で共沈してきたCDK8のセリン・スレオニンリン酸化酵素活性を,リン酸化CTDを特異的に認識する抗体で直接観察した.MED12MUTではCDK8活性は低下しており, MED12WTでは保たれていた.
また, 偽閉経療法を施行したMED12WT子宮筋腫においてはCDK8活性が低下しており, 偽閉経療法の効果発現機序ともCDK8活性が関連していることが示唆された.続いて, MED12WTの子宮筋腫を初代培養し, CDK8阻害薬の細胞増殖抑制効果, アポトーシス誘導効果を確認した. このことにより, CDK8阻害薬が子宮筋腫増大を抑制する可能性が考えられた.
現在は子宮筋腫初代培養細胞を用いた3D培養モデル、および子宮筋腫のマウスモデルを作成中であり, R6年度はCDK8阻害薬の子宮筋腫に対する効果を検討する実験を行う.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在までの研究成果の論文が執筆済みであり、投稿段階にある。
また、子宮筋腫の動物モデルに対してCDK8阻害薬の効果を検討する実験を遂行中である。

今後の研究の推進方策

子宮筋腫の動物モデルに対してCDK8阻害薬の効果を検討する実験を遂行し、臨床応用の可能性を見だしていく。

次年度使用額が生じた理由

多くの学会がCOVID-19が収束しつつあってもオンライン参加可能であり旅費が抑えられた。
主な実験者の産休・育休があった。次年度に動物実験の購入費がかかるので少し出費を抑えていた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 症例 子宮マニピュレーターのバルーン拡張により子宮筋層が損傷し,仮性動脈瘤を生じた1例2023

    • 著者名/発表者名
      岩泉 しず葉、浅野 涼子、新堀 雄大、中川 沙綾子、大沼 えみ、齊藤 真、最上 多恵、宮城 悦子、榊原 秀也
    • 雑誌名

      産婦人科の実際

      巻: 72 ページ: 863~866

    • DOI

      10.18888/sp.0000002649

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Laparoscopic Surgery for Large Calcified Myomas Using Orthopedic Instruments2023

    • 著者名/発表者名
      Sano Manami、Asano Ryoko、Tanioka Saki、Kadowaki Ayahiro、Shigeta Hiroyuki
    • 雑誌名

      Journal of Minimally Invasive Gynecology

      巻: 30 ページ: 522~524

    • DOI

      10.1016/j.jmig.2023.03.004

    • 査読あり
  • [学会発表] 肺腫瘤が外科的閉経後に増大し悪性腫瘍との鑑別に苦慮した良性転移性平滑筋腫の1例2023

    • 著者名/発表者名
      奥谷 和朗, 齊藤 真, 筒井 妙美, 佐野 真奈美, 野口 結, 岩泉 しず葉, 田中 舞, 平田 豪, 川野 藍子, 榊原 秀也, 浅野 涼子
    • 学会等名
      第146回 関東連合産科婦人科学会 総会・学術集会

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi