研究課題/領域番号 |
22K09600
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
三宅 龍太 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20866008)
|
研究分担者 |
山田 有紀 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20588537)
山中 彰一郎 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30866009)
川口 龍二 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (50382289)
岩井 加奈 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60588531)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 卵巣がん |
研究実績の概要 |
卵巣明細胞癌は、プラチナ製剤などの化学療法に対する感受性が低く、進行期の卵巣明細胞癌はより一般的な組織型である漿液性腺癌よりも予後が悪いことが知られている。Plitidepsinはオーストラリアで多発性骨髄腫に対する治療に用いられている新規抗悪性腫瘍薬であり、転写因子であるeEF1A2をターゲットとするとされている。 卵巣がん患者の摘出標本を用い、免疫組織化学染色でeEF1A2の発現量を調べたところ、他の組織型と比較して卵巣明細胞癌においてeEF1A2は高発現していた。 eEF1A2を高発現する卵巣明細胞癌細胞株に対して、新規抗悪性腫瘍薬であるPlitidepsinの腫瘍増殖抑制効果やApoptosis誘導をin vitro実験系で確認している。MTS assayではPlitidepsinは卵巣明細胞癌の細胞株であるKOC-7C, RMG-1, TOV-21Gという3つの細胞株に対して増殖能を抑制する。またflow cytometryでG1期での細胞数を増殖し、western blottingでcleaved PARPを増加させることが明らかとなり、抗腫瘍効果は細胞周期の停止およびアポトーシスの誘導を機序とすることが示唆された。 それらの細胞株のeEF1a2過剰発現株およびノックダウン株を用いてPlitidepsinの効果を確認すると、eEF1A2の発現量に応じてPlitidepsinの効果が増加することが明らかとなった。これは、PlitidepsinはeEF1A2をターゲットとする既報と矛盾のない結果である。また卵巣明細胞癌細胞株を胸腺摘出マウスの皮下に移植し、Plitidepsinを0.08mg/kg、週5日で2週間皮下投与すると腫瘍の縮小効果が確認された。
|