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2022 年度 実施状況報告書

難治性の卵巣明細胞癌におけるメトホルミンの抗腫瘍効果の 分子基盤の解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K09603
研究機関杏林大学

研究代表者

森定 徹  杏林大学, 医学部, 准教授 (70317923)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード卵巣癌 / メトホルミン / 卵巣明細胞癌
研究実績の概要

ビグアナイド系の経口糖尿病治療薬であるメトホルミン(Metformin: MET)は近年、多くの臨床の場での観察研究や無作為化比較試験において、癌に対する増殖抑制効果や化学療法感受性の増加効果が報告されている。しかし、卵巣癌において他の組織型に比して化学療法抵抗性かつ予後不良とされる卵巣明細胞癌に対するMETの影響についての知見は乏しい。申請者はMETの卵巣明細胞癌に対する抗腫瘍効果の分子メカニズムについて、所属機関の所有する卵巣明細胞癌細胞株、培養実験、遺伝子解析実験の資材とノウハウを生かして解析することを目的としている。
まずin vitroの実験で、卵巣明細胞癌細胞株(OVISE, RMG-1)を用いて、METによる細胞増殖能/生存率の効果を検討したところ、METの濃度依存的にcell viabilityが抑制されることがわかった。さらにRMG-1細胞におけるシスプラチン投与下でのMETの細胞増殖能/生存率に対する効果をWST-1assayを用いて評価したところ、METの濃度依存的にcell viabilityが抑制されることがわかった。同様にパクリタキセル投与下でのMETの細胞増殖能/生存率に対する効果を評価したが、METの投与の有無による差は見られなかった。RMG-1細胞におけるメトホルミンのシスプラチン投与下での細胞周期に与える影響を,APC-Cy7染色でのフローサイトメトリーで評価したところ、MET投与群は、コントロール群に比べ有意にG2/M期の割合が高かった。さらにRMG-1細胞におけるMETによるAMPKリン酸化に対する効果についてイムノブロットを用いて確認したところ、MET投与群はコントロール群に対して有意にAMPKのリン酸化が促進された。以上よりMETはAMPKのシグナルを介して細胞増殖抑制を引き起こしている可能性があると考え、実験を継続している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

卵巣明細胞癌株(RMG-1)を用いて抗癌剤とMETのcell viabilityについての検討を行うことができた。

今後の研究の推進方策

2022年度の実験で、METの卵巣明細胞癌に対する効果は、AMPKを含めた細胞内シグナル伝達経路を介していると考えられたため、2023年度以降は、細胞内シグナル伝達物質についてのウェスタンブロットなどの実験を含めさらに進めてゆく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] ヒト卵巣明細胞癌細胞株を用いたメトホルミンの抗腫瘍効果の検討2023

    • 著者名/発表者名
      竹森聖、森定徹ら
    • 学会等名
      第44回日本エンドメトリオーシス学会学術講演会
  • [学会発表] Analysis of anti-cancer effects of metformin on ovarian clear cell carcinoma cells2022

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Takemori, Tohru Morisada et al.
    • 学会等名
      第74回日本産科婦人科学会学術講演会

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公開日: 2023-12-25  

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