研究課題/領域番号 |
22K09618
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
伊澤 正郎 鳥取大学, 医学部, プロジェクト研究員 (50032222)
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研究分担者 |
東 幸弘 鳥取大学, 医学部附属病院, 助教 (50815579)
谷口 文紀 鳥取大学, 医学部, 教授 (40322218)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 子宮内膜症病変組織 / エストロゲン応答性遺伝子 |
研究実績の概要 |
子宮内膜症の薬物治療として、低エストロゲン状態の誘起を目的とするホルモン製剤治療が第一選択とされるが、治療成績には限界がある。その背景として、子宮内膜症病変組織に特徴的なエピゲノム環境のもとで活性化したアロマターゼ発現を伴う、「局所高濃度エストロゲン環境の影響」を想定する(Izawa M et al. 2008, 2011, 2013)。その検証の第一段階として実施した先行研究により、「低レベルではあるが同等レベルで発現する野生型α、野生型β1、リガンド結合活性を欠く変異型β2」のエストロゲン受容体システムを子宮内膜症細胞に見出した(IzawaM et al. 2016)。次段階となる本研究は、病変組織におけるエストロゲン応答性遺伝子発現の概容を解明する事が目標である。今年度は、子宮内膜症細胞におけるエストロゲン応答性遺伝子発現の予備的RNA-seq解析を実施した。その結果、エストロゲン応答性遺伝子発現は検体細胞間で多様であることが判明した。この予備研究成績は、病変組織のエストロゲン依存性の概念を再考する手掛かりとなる可能性がある。病変組織に特徴的なエストロゲン応答性遺伝子発現の実体解明に向け、追加検体の解析とRNA-seq解析情報の取り扱い方法の再検討が次年度の課題となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
RNA-seq解析による予備研究により、子宮内膜症細胞のエストロゲン応答性遺伝子が検体間で多様であり、想定した子宮内膜症病変組織に特徴的な遺伝子発現の絞り込みには解析方法の再検討を要するため。
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今後の研究の推進方策 |
ホルモン製剤治療の限界克服に向けた基盤情報を得るために、検体を追加して以下の研究を計画する。 1. 検体組織を追加し、RNA-seq解析による子宮内膜症細胞のエストロゲン応答性遺伝子を選別抽出する。 2. エストロゲン応答性遺伝子の発現に関与するエストロゲン受容体アイソフォームを特定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19感染状況下、検体入手の制約、解析方法の改訂のために想定外の時間を要したため。
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