研究課題/領域番号 |
22K09635
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
吉原 弘祐 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40547535)
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研究分担者 |
中岡 博史 公益財団法人佐々木研究所, 附属研究所, 部長 (70611193)
榎本 隆之 新潟大学, 医歯学系, 特任教授 (90283754)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 癌関連遺伝子変異 / 子宮内膜 / オルガノイド |
研究実績の概要 |
子宮内膜は、月経により剥脱と増殖を繰り返す再生能の高い組織であり、その異常は子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮内膜癌など多岐にわたる。これまでに申請者らは、内膜に対するゲノム解析により、①子宮内膜において癌関連遺伝子が腺管単位で体細胞変異を起こしていること、②子宮内膜における遺伝子変異量は加齢や月経回数に比例すること、③子宮内膜では婦人科癌特有の遺伝子変異が正の選択を受けていること、を明らかにしている。そこで、本研究では当科で樹立した単一腺管由来の子宮内膜オルガノイドを用いてCRISPR-Cas9法で癌関連遺伝子変異を導入し、子宮内膜オルガノイドの表現型の変化を評価することで、子宮内膜における癌関連遺伝子変異の生物学的意義を明らかにすることを目的とした。 本年度も、単一腺管由来の子宮内膜オルガノイド樹立を継続した。これまでに5症例15腺管由来の子宮内膜オルガノイドを樹立している。オルガノイドが臨床検体と同一の遺伝子変異情報を反映しているかを検証するため、腺管を分割して、一部でゲノム解析を行い、残りでオルガノイドを樹立した後、ゲノム解析を行った。その結果、単一腺管由来のオルガノイドは、元の腺管でも同じ遺伝子変異であることを確認できた。 また、CRISPR-Cas9法を用いて、正常子宮内膜オルガノイドに対してKRAS G12V, PIK3CA E545K変異を導入し、子宮内膜オルガノイドの表現型の変化を明らかにすることに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ予定していた研究計画を実施し、研究成果をあげることができている。
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今後の研究の推進方策 |
Illumina社のTruSeq RNAサンプル調整キットを用い、ライブラリー作成後、ペアエンドRNAシークエンスを行う。得られたFastqファイルを用いてRNAシークエンスデータの品質チェックを行うと同時に遺伝子発現・融合遺伝子を取得する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定の実験試薬について節約して使用していたため、試薬購入が次年度にひつようになったため。
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