研究課題/領域番号 |
22K09646
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 寛正 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90406116)
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研究分担者 |
大口 昭英 自治医科大学, 医学部, 教授 (10306136)
小古山 学 自治医科大学, 医学部, 助教 (60741692)
高橋 宏典 自治医科大学, 医学部, 教授 (80544303)
永山 志穂 自治医科大学, 医学部, 助教 (80741694) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 妊娠高血圧腎症 / エクソソーム / CD9 / ELISA / PLAP / 胎盤由来エクソソーム / フローサイトメトリー法 |
研究実績の概要 |
これまでエクソソーム精製方法のスタンダードてある超遠心法で血漿保存試料から総エクソソームを精製し、エクソソームの特異的抗原であるCD63のELISA法を用いて総エクソソーム濃度を測定し感度以下で測定ができなかった。このため、精製されたエクソソーム量が少ないためと考え、各血漿保存試料の量を増やしたり、タンパク質抽出溶液を変更したりなどして再検討したところ、エクソソームの別の特異抗原であるCD9が他の特異的抗原と比べても高発現であることが判明した。このため、CD9のELISA法で測定し、測定感度以上であり、総エクソームの測定ができることが判明した。現在CD9のELISA法を用いて、血漿保存試料の正常妊婦の妊娠週数別の総エクソソームの正常値(曲線)を作成するとともに、妊娠高血圧腎症妊婦の発症後の総エクソソーム濃度が異なるのか現在検討中である。 また別に胎盤特異的抗原であるplacenta alkaline phosphatase [PLAP]の発現が、超遠心法で血漿保存試料から精製した総エクソソームで認められるか確認し、胎盤由来エクソソームがそこに含まれるか蛋白解析を行っている。このPLAPが高発現であれば、超遠心法で精製した総エクソソームを用いて、ELISA法で胎盤由来エクソソーム濃度を測定し、正常妊婦と妊娠高血圧腎症妊婦とで差があるのかを検討する予定である。 フローサイトメトリー法での胎盤由来エクソソームの量の測定を行う検討段階で、絶対値的測定ではなく、相対値的測定になる可能性がでてきて、個体間で測定比較が可能か結論がでていない。測定方法について検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初、胎盤由来エクソソームがELISA法では測定困難と考えていたが、各血漿保存試料の量を増やしたり、タンパク質抽出溶液を変更したりなどして再検討したところ、エクソソームの別の特異抗原であるCD9が他の特異的抗原と比べても高発現であり、総エクソソームの量をCD9のELISA法で測定できることが判明した。このため、まずELISA法でのエクソソーム濃度測定を優先して行っている。また、胎盤由来エクソソームの濃度を胎盤特異的抗原のPLAPを用いたELISA法で測定できるかも検討している。一方、フローサイトメトリー法での胎盤由来エクソソームの量の測定は、絶対値的測定が難しく、相対値的測定になる可能性があり、測定方法について検討中である。このため本来の実験の進行は遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
血漿保存試料から超遠心法で総エクソソームを精製し、エクソソームの特異抗原であるCD9のELISA法を用いて、正常妊婦の妊娠週数別の総エクソソームの正常値(曲線)を作成するとともに、妊娠高血圧腎症妊婦の発症後の総エクソソーム濃度が異なるのか検討する。 また胎盤の特異的抗原のPLAPの発現が、血漿保存試料から超遠心法で精製した総エクソソームで認められるか確認し、胎盤由来エクソソームがそこに含まれるか蛋白解析を進める。PLAPの発現が認められたら、PLAPのELISA法を用いて胎盤由来エクソソーム濃度が測定できるか検討する。測定か可能であれば、正常妊婦と妊娠高血圧腎症妊婦の血漿保存試料を用いて、胎盤由来エクソソーム濃度に差があるか検討する。 フローサイトメトリー法での胎盤由来エクソソームの量の測定方法を確立するため、検討を重ねていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度の残額が小さいため、年度内に購入したい物品が買えなかった。次年度に繰り越すことで購入できる物品が増えると考え、次年度に繰り越した。 フローサイトメトリー法の抗体購入に使用する予定である。
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