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2023 年度 実施状況報告書

IgG4関連唾液腺炎に特異的な線維化誘導の分子メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 22K09661
研究機関山形大学

研究代表者

北岡 匠  山形大学, 医学部, 助教 (80885153)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワードIgG4関連唾液腺炎 / 線維化 / 線維芽細胞 / 形質細胞
研究実績の概要

慢性炎症性疾患であるIgG4関連疾患の本態は線維化であり、唾液腺においては線維化により既存の唾液腺組織が消失しその機能が低下する。IgG4-SAの線維化誘導の特異的なメカニズムを明らかにすることで、線維化を抑制する治療の標的を明らかにすることができる。我々はIgG4関連唾液腺炎(IgG4-SA)の線維化のメカニズムはIgG4陽性形質細胞を含むB細胞が関与していると仮説を立てた。
IgG4-SAでは2次リンパ濾胞周囲に線維化が生じ、線維芽細胞が多く存在することを明らかにした。線維芽細胞はαSMA (+)、FAP (+)、S100A4 (+)、CD29 (-)の形質を示した。FAPは線維芽細胞への特異性が高いため、その後の検討では線維芽細胞の標識にはFAPを使用した。我々はIgG4-SAの2次リンパ濾胞周囲に多数浸潤する形質細胞に着目し、形質細胞が線維芽細胞を活性化しているかどうかを調べた。具体的には、形質細胞をMUM1で、線維芽細胞をFAPで標識し、画像解析ソフト(HALO)で線維芽細胞からの形質細胞の数と距離を計測した。その結果、線維芽細胞から約20 μmという非常に近い距離に多数の形質細胞が分布していることが明らかとなった。形質細胞はサイトカインを介して線維芽細胞に作用することが予想され、線維芽細胞の近くに多くの形質細胞が存在することは、サイトカインの影響をより強く与えらえることにつながる。このことから、IgG4-SAにおいて2次リンパ濾胞周囲で形質細胞が線維芽細胞を活性化する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在のところ、概ね予定通りの進行である。

今後の研究の推進方策

形質細胞が線維芽細胞を活性化する因子について検討する。過去に報告のあるサイトカインや受容体に着目し、組織切片上での蛍光免疫染色やin vitroの実験系を使用する。

次年度使用額が生じた理由

物品予備費用が残ったため。
翌年度の物品購入の際に合わせて使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] IgG4 関連唾液腺炎における特異的な線維化誘導メカニズムの解明2023

    • 著者名/発表者名
      北岡 匠
    • 学会等名
      第112回日本病理学会総会
  • [学会発表] IgG4 関連唾液腺炎における特異的な線維化誘導メカニズムの解明2023

    • 著者名/発表者名
      北岡 匠
    • 学会等名
      第19回病理学会カンファレンス

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公開日: 2024-12-25  

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