研究課題/領域番号 |
22K09665
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
竹内 万彦 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50206942)
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研究分担者 |
千代延 和貴 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (10737018) [辞退]
長尾 みづほ 独立行政法人国立病院機構三重病院(臨床研究部), 臨床研究部, 臨床研究部長 (20650493)
田辺 正樹 三重大学, 医学部附属病院, 教授 (50456737)
上田 航毅 三重大学, 医学系研究科, 助教 (60899194)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 線毛 / 電子顕微鏡 / ゲノム / 遺伝学的検査 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は多様な技術を駆使して線毛機能不全症候群の正診率を向上させることであった。そのために従来の方法に加えて、次の3つの新しい手法を取り入れるのが当初の目的だった。①擦過した鼻粘膜を用いて高速度ビデオ撮影による線毛運動を観察することが可能となった。この方法で18例について鼻粘膜採取後ただちに観察を行った。年間5例から10例の症例で行うとの当初の予定を超えることができた。本邦は線毛機能不全症候群のスクリーニングとしての意味があると考えた。②同様に鼻粘膜の擦過片を用いた線毛に関連したタンパクの免疫組織学的検査を数例について施行し、擦過片を用いて本検査が可能であることを確認した。年間5例から10例の症例で行うのが目標だったので達成できた。③線毛のmRNA配列の決定は(RNA-seq)については本年度はまだ手掛けていない。
さらにこれまで用いてきた次の3手法についてもこれまでのレベルを保ちながら新たな修正と試みを行うのが目標であった。①鼻腔一酸化窒素測定については、三重病院にあるEcoMedics社製ANALYZER CLD 88という測定装置が途中で故障したために、1例の測定のあと、現在測定ができない状態である。修理の依頼をしてあり、復旧を待っている。②電子顕微鏡検査による線毛の構造解析については本年度21症例について施行し、うち7例で明らかな構造異常が認められた。年間10例行う予定だったので、予定を大幅に上回った。③遺伝学的検査については、患者の両親も含めて42例について32遺伝子のパネル検査を行った。これで原因遺伝子が明らかにならなかった10例については全エクソーム解析を行った。今年度、パネルは年間16例 、全エクソーム解析は年間8例の予定であったので、どちらも上回る症例について解析できた。これらを合わせて、3家系で原因遺伝子を同定することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進行しているとしたのは、用いる6つの手法のうち、4つまでは目標数に達したか上回っていたが、一つの方法(鼻腔一酸化窒素濃度測定)については機器の故障のために途中から施行できなくなった。もう一つのRNA-seqについては今年度は着手しなかった。これは、RNA-seqを用いなければ本症と診断できない症例が特になかったからである。個々の方法について述べる。
①高速度ビデオ撮影による線毛運動の観察は、年間5例から10例の症例で行う予定だったが、18例について施行できた。②線毛に関連したタンパクの免疫組織学的検査を年間5例から10例の症例で行うのが目標だったが数例について施行できた。③線毛のmRNA配列の決定は(RNA-seq)については本年度まだ手掛けていない。④鼻腔一酸化窒素測定については、三重病院にある測定装置EcoMedics社製ANALYZER CLD 88が故障したために、現在測定ができない状態である。修理の依頼をしてあり、復旧を待っている。⑤電子顕微鏡検査による線毛の構造解析については、年間10例行う予定だったが本年度21症例について施行でき予定を大幅に上回った。⑥遺伝学的検査については、今年度、パネルは年間16例 、全エクソーム解析は年間8例の予定であったが患者の両親も含めて42例について32遺伝子のパネル検査を行った。また、これで原因遺伝子が明らかにならなかった10例については全エクソーム解析を行い、どちらも予定を上回る症例について解析できた。
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今後の研究の推進方策 |
研究の方針としては大きな変更はない。 ①高速度ビデオ撮影による線毛運動の観察と②線毛に関連したタンパクの免疫組織学的検査は引き続き継続する。③線毛のmRNA配列の決定はについては現在その必要性が高くないので、どうしても必要な症例が出てきた場合に施行する。④鼻腔一酸化窒素測定については、測定装置EcoMedics社製ANALYZER CLD 88の修理が終了すれば再開する。⑤電子顕微鏡検査による線毛の構造解析と⑥遺伝学的検査については、順調に進んでいるので、これまで通り施行し、症例数を増やす。
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次年度使用額が生じた理由 |
人件費・謝金がなかったこと、そして物品費の単価が比較的高価なために残金では購入できなかった。次年度に回して比較的高価な物品を購入できるようにする予定である。
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