研究課題/領域番号 |
22K09690
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
武田 早織 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (20644090)
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研究分担者 |
大谷 真喜子 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (00795594)
河野 正充 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20511570)
平岡 政信 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80423945)
伊豫 巧朗 和歌山県立医科大学, 医学部, 準客員研究員 (70895820)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 反復性中耳炎 / 肺炎球菌 / インフルエンザ菌 |
研究実績の概要 |
本研究では、ワクチン接種児における難治性中耳炎の免疫学的危険因子を特定する。申請者が科学研究費2017ー2018年度若手研究(B)、2019ー2021年度基盤研究(C)において確立した、反復性中耳炎患児の抗肺炎球菌特異的抗体の質的評価法、量的評価法を応用し、肺炎球菌ワクチンを接種された難治性中耳炎患児の血清中の抗肺炎球菌特異的抗体の「質」(機能)と「量」(抗体価)の両面から評価し、ワクチンに対する免疫応答能と腸内細菌叢の構成を調査することで、ノンレスポンダーの危険因子を同定する。現在、抗体の質的評価に必要な、ヒト好中球細胞株(HL60)の継代培養を行い、抗体のオプソニン化殺菌能を評価できる状態である。また量的評価のためのELISA法については、血清型莢膜多糖体抗原を確保した。 反復性中耳炎は、2018年版小児急性中耳炎診療ガイドラインの定義に従い、「過去6カ月以内に3回以上、12カ月以内に4回以上の急性中耳炎に罹患」した症例とし、対照群である睡眠時無呼吸症患児の血清とともに、抗肺炎球菌特異的抗体の質的評価・量的評価を開始した。肺炎球菌の血清型毎に抗肺炎球菌特異的抗体の抗体価および貪食殺菌能は様々であり、抗体価と貪食殺菌能が正の相関をとる血清型と、全く関連性を示さない血清型が存在した。また、患者毎の抗体価・貪食殺菌能も様々であった。 これまでの研究において、抗肺炎球菌特異的抗体の質的・量的評価は反復性中耳炎患児の液性免疫能の評価を行う上で有用な方法であると考えられた。最終年度において、反復性中耳炎患児の細菌叢解析を行い、細菌叢との関連性を評価する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナパンデミックの影響で全国的に反復性中耳炎の症例が減っている。そのため、症例のリクルートに時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
症例のリクルートと並行して解析を開始している。抗肺炎球菌特異的抗体の質的・量的解析を行うとともに、最終年度において細菌叢解析を行うことで研究期間内に予定のデータ収集を完了する。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例のリクルートの時間を要していたため、本研究における研究費の多くを占める細菌叢解析を最終年度に行うこととなったため、次年度使用額が生じた。最終年度で研究計画で予定している細菌叢解析を行い、使用する予定である。
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