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2022 年度 実施状況報告書

喉頭の発声機構に基づく声質の解明および音声治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 22K09695
研究機関京都大学

研究代表者

児嶋 剛  京都大学, 医学研究科, 講師 (60767698)

研究分担者 藤村 真太郎  京都大学, 医学研究科, 特定助教 (50815751)
堀 龍介  藤田医科大学, 医学部, 准教授 (70767699)
岡上 雄介  天理医療大学, 医療学部, 特別研究員 (70911692)
弓場 徹 (岩永馨)  三重大学, 教育学部, 名誉教授 (40144224)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード音声 / 喉頭原音
研究実績の概要

本研究の目的は「声質」つまり音声の性状的特徴を客観的に評価することである。「声質」は音声の発声機構を鑑みると多くは喉頭原音の特徴としてあらわれるので、内喉頭筋の運動動態が喉頭原音となる声帯の振動様式、ひいては「声質」を変化させるメカニズムを解明し、音声における「声質」の本質的特徴をとらえる。そして「声質」の特徴に関与する喉頭の状態を音声からリアルタイムに客観的指標として示すことを目指す。
2022年度は初年度であり表声/裏声の声区について喉頭原音がどのような特徴をもつのかを検討した。声帯の振動状態を軟性喉頭鏡・硬性喉頭鏡を用い、ハイスピードカメラでの撮影を音声データの録音とともに行っている。音声がエネルギーを持たない低周波数で共振特性を持つ長大な音響管の一方の端を、口唇との境界で反射が生じないよう形態を工夫して咥えた状態で発声させると、音響管の伝達特性が優位となり声道の音響特性は無視できる状態となるため、管腔内にマイクロフォンを設置すれば喉頭原音波形を計測することができる。この音響管の作成のためには適切な長さや太さの選定が必要であり、そのための実験を行っている。
また音声に含まれる高調波成分つまり喉頭原音に起因する声質の特徴を独自のアルゴリズムで指標化し、表声/裏声の声質を良好に区別できることを実証していたが、実際にこの指標を測定できるAndroidのアプリを作製し、スマートデバイスでの利用を可能とした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

音声データの収集がこの研究の肝となる。特にいろいろな声区を自由に扱える声楽家などによる音声データおよび発声時の声帯振動の録画が必要となる。2022年度は実験のために録音を行う施設である院内にこのような対象者を集めてこのような研究を行うことが難しく、想定していただけのデータが集まらなかった。とくに防音室(密室)で声を長時間出すという行為はCOVID-19感染予防の観点から許可されるものではなく進捗が遅れている大きな要因である。

今後の研究の推進方策

今後は規制が徐々に解除されていくことが予想され、データが集まるものと考えている。可能な限りの音声データと連動した声帯振動のハイスピードカメラによる動画を収集する。同時に今までの研究での録音データはあるため、それらのデータを用いてアプリの開発をすすめ、実際に治療や音声訓練に使える形にすることを並行してすすめる。

次年度使用額が生じた理由

初年度に人件費・謝金として計上していた分を使用できなかったこともあり次年度使用額として生じた。2023年度に初年度に予定していた音声データや声帯振動の録画データの収集を行う予定でありその経費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 雑音の影響下におけるGRBAS尺度評価アプリの精度向上2022

    • 著者名/発表者名
      児嶋剛
    • 学会等名
      第35回日本喉頭科学会総会・学術講演会
  • [学会発表] 新しい音声評価指標Harmonics to fundamental ratioを用いた健常者音声における基本的特徴についての検討2022

    • 著者名/発表者名
      中濱千晶
    • 学会等名
      第35回日本喉頭科学会総会・学術講演会

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公開日: 2023-12-25  

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